【巨人】中川、甲子園プロ初登板で力投…マツダで夢敗れた高3夏から7年

スポーツ報知
5回から登板した2番手・中川(カメラ・酒井 悠一)

◆阪神1―2巨人(23日・甲子園)

 0―0の5回。緊迫した中盤の大事な場面で中川の名前がコールされた。3年目左腕は引き締まった表情でリリーフカーに乗り、左翼ポール際のブルペンからマウンドに向かった。4万6000を超す大観衆の中で1回1/3を無失点に抑え、ベンチの期待に応えた。

 5回表2死一、二塁の攻撃。由伸監督は「今村も決して悪い投球ではなかったけど、なんとか点を取りにいかないといけなきゃいけないと思った」と9番今村に代打・宇佐見を送った(結果は一ゴロ)。今村は4回86球2安打無失点。中川は「今村の球数が多いから早めに行く可能性があるよ、と言われていました」と準備はできていた。福留を直球で三邪飛に抑えるなど持ち味を発揮した。

 プロ入り後、オープン戦で甲子園の登板経験はあるが、その時の観衆は2万人だった。1軍公式戦の超満員の甲子園は初めて。「応援がすごくて独特の感じがしました」。東海大の1年先輩・大城とのバッテリーで攻め、6投手の継投による1点差勝利に貢献した。

 大阪・富田林市出身。両親が大の巨人ファンで、小さい頃からテレビの前で巨人を応援していた。高校は広島の山陽高に進学。最後の3年夏の県大会はマツダスタジアムでの準決勝で如水館に1―3で敗れ、甲子園出場の夢は破れた。東海大を経てドラフト7位で巨人入団。3年目の今年はここまで28登板、初勝利を挙げるなど、左の中継ぎとして飛躍の年になっている。

 「高校野球とプロ野球では違いますが、一度も(甲子園で)投げられない人はたくさんいると思うので、投げさせてもらったのはありがたいことですし、何とか抑えることができたのは良かったと思います」

 何歳になっても野球人にとって甲子園球場は聖地。黒土のダイヤモンドの中心で、躍動感たっぷりに腕を振った。(片岡 優帆)

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