【巨人】坂本勇、2発も12年ぶり負け越し「一戦必勝変わらない」

スポーツ報知
7回1死二塁、坂本勇がこの日2本目の本塁打となる17号2ランを放つ(カメラ・矢口 亨)

◆巨人7―8広島(29日・東京ドーム)

 巨人は、既にリーグ優勝を決めている広島に1点差で敗れた。同点の9回、守護神の山口俊が決勝打を浴びた。先発の今村が5回途中でKOされる苦しい展開のなか、坂本勇の今季初の1試合2本塁打を含む4安打、田中俊の2号2ランなどで接戦に持ち込んだが、及ばなかった。チームは70敗に到達。引き分けを挟んだ連勝が3で止まり、試合がなかったDeNAに3位に並ばれた。9月は6勝8敗3分けとなり、月間負け越し。12年ぶりのシーズン負け越しも決まった。

 惜敗の悔しさを胸にしまい、坂本勇は残り4試合の戦いに視線を向けた。2本塁打を含む4安打3打点と奮闘したが1点差で敗れ、チームは12年ぶりのシーズン負け越しが決まった。それでも、試合後の東京Dの通路で勇人は「一戦必勝は変わらない。負けたら負けたでスパッと気持ちを切り替えて、明日また頑張りたい」と、あくまで前向きに言葉を紡いだ。

 試合では、負けたくない強い気持ちを誰よりも見せた。初回先頭。1ボールから戸田のスライダーを捉え、今季2本目、通算17本目の先頭打者本塁打となる16号ソロ。「うまく前の方でさばくことが出来ました。積極的に打ちにいって、ファーストストライクを一振りで仕留めることが出来てよかったです」と、振り返った一発が号砲となった。

 3回には左翼線二塁打を放ち、直後の田中俊の一時は逆転となる2号2ランを呼んだ。5回の打席では中飛に倒れたが、6回の守備に就く際には遊撃の位置で何度もバッティングの構えを繰り返し、修正ポイントをチェックした。

 その効果があったのか、3点を追う7回1死二塁ではアドゥワの内角直球を捉え、左翼席上部「インターネットイニシアティブ」の看板にぶつかる推定140メートルの特大弾を放った。「完璧に捉えることが出来ました」。12年目で初めて東京Dの「ビッグボードスポンサー賞」を獲得した。

 今季初の1試合2発で通算182本塁打とし、巨人では川上哲治を抜いて、歴代単独9位に浮上。自身の通算1700安打目というメモリアルアーチから打線はつながり、一時は最大4点のビハインドを追いついた。さらに8回2死からは左前安打で、今季4度目の1試合4安打。最後まで存在感を放った。

 主将としての意地もある。巨人以外セで初の3連覇を決めた広島とは、これで今季5勝17敗1分けと大きく負け越し。勇人も「大崩れしない、本当に強いチーム」と認めるが、「プロとして負けっぱなしではダメ。何としても勝たないといけない」。まずは今季の東京D最終戦となる30日の広島戦で勝利をつかむために、背番号6がチームを鼓舞していく。(後藤 亮太)

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