【巨人】DeNAと再び同率3位 由伸監督「頑張るしかない」

◆巨人7―8広島(29日・東京ドーム)
大歓声は一瞬にして、深いため息に変わった。逆転サヨナラを信じた放物線はしかし、右翼フェンス手前で失速した。亀井は両ひざに手をつき、下を向いた。1点を追う9回2死から一、三塁へとつなぎ、頼みの綱はとぎれた。惜しくても、敗戦の事実は重い。何とも痛い1敗が刻まれた。
試合直後、由伸監督は悔しさで頭の中を整理しきれていなかった。坂本勇が2発3打点と引っ張った。が、「そういったところは見せてくれたけど…。力あと一歩及ばなかった」。4位・DeNAとの0・5差は、再びゲーム差なしに。相手はこの日、ヤクルト戦(神宮)を雨天中止で流し、巨人よりも3試合も多く残す。数字上はかなり追い込まれたが「とにかく明日はまた明日で、何とか勝てるように頑張るしかない」と振り絞った。
残りは4試合。全勝しか道は開けない。負けたら敗退のトーナメント戦のように、先発投手の見切りは早く、常に総力を挙げて戦っていくしかない。
この試合。今村は5回にヒットと連続四球で無死満塁としマウンドを降りた。2番手のアダメスが押し出し四球、3連打と止められず、5失点で逆転された。指揮官は「何とか1点でも少なくというところだった」と振り返ったが、継投のタイミングは消極的に映った。左腕は3回に2失点。味方が逆転した直後の4回も先頭から3連打を食らった。守備陣の好守に助けられて無失点も、初回からムダな四球も多かった。1点をリードしていようが、5回の頭からスイッチし、流れをつかむ手もあった。
ブルペンにはロングリリーフができる、経験豊富な野上がいる。この日は2イニングを3奪三振と完璧な投球を見せた。セットアッパーの畠、守護神・山口俊も元は先発投手。早めにつぎ込んだって耐えてくれるはずだ。後先を考えず、流れをつかむことだけを考えた“脱・普段着野球”で、白星を積み重ねるしかない。(水井 基博)