【巨人】長野、サヨナラ!東京ドーム最終戦で勝った笑った単独3位

スポーツ報知
9回1死満塁、長野がサヨナラの中前安打を放つ(捕手・会沢、カメラ・生澤 英里香)

◆巨人5x―4広島(30日・東京ドーム)

 巨人が本拠地最終戦に逆転サヨナラ勝ちで単独3位に立った。3―4の9回、岡本の左前安打で追い付き、1死満塁から長野が中前安打を放って勝負を決めた。長野は、今季限りで現役引退した村田修一さんがセレモニーを行った9月28日のDeNA戦(東京D)でもサヨナラ弾。この日は、同じく引退する杉内がセレモニーを行い、投打で優勝に貢献した先輩たちに「さよなら」の一打を贈った。その杉内はナインや家族に感謝の気持ちを告げ、マウンド上で3度、宙に舞った。

喜びより安堵 総立ちのスタンド、勢いよくベンチを飛び出してきたナインとは、まるで対照的だった。ウォーターシャワーを浴びる長野の顔には、喜びよりも安堵(あんど)が色濃くにじんでいた。

 「ゲッツーだけは打たないように、と…。3ボール2ストライクだったので食らいついていきました。9回を俊(山口)が粘って抑えてくれて、みんながつないでくれたチャンス。打ててよかったです」

 1点を追う9回。岡本の適時打で追いつき、なおも1死満塁。中崎の低め変化球をバットの先で拾うと、試合を決めるピッチャー返しが中前へ抜けていった。

 28日のDeNA戦(東京D)では、0―0の9回にサヨナラ弾をたたき込んだばかり。その試合には、元同僚でBC栃木を今季限りで引退した村田修一さんが訪れ、試合の前後にはスピーチや胴上げが行われた。そしてこの日も、同じく今季限りでユニホームを脱ぐ杉内の引退セレモニーだった。「そういう意味でも負けられない試合だったし、勝ってスギさんを送り出すことができてよかったです」。CS進出へ望みをつなぐ一打の裏には、そんな思いもあった。

 チームは9月半ばの7連戦で1勝5敗1分けと失速した。どんよりと雰囲気が重くなりかけているところ、いつも村田ヘッドコーチや吉村打撃総合コーチが和らげてくれていたという。「吉村さんがギャグを言って、村田さんがツッコむという感じ。僕らが少しでもリラックスできるようにとやってくれていたんだと思います。選手の自分たちで何とかしないといけないんですけど…ありがたいです」。首脳陣の気配りが身に染みた。そんな思いに応えないわけにはいかなかった。

CSへの執念 今季の東京D最終戦を劇的な勝利で飾り、単独3位に立って残りの敵地3試合に臨む。2年ぶりのCS進出へ、崖っぷちにいることには違いないが、高橋監督は「よく粘って、最後は長野が、先日の試合(DeNA戦)といい、決めてくれた。ビハインドの展開でも畠と山口と、後がない中でいってもらって、全員が執念というか、そういうものが出たと思う」とうなずいた。「僕たちは勝ちしかない」―。長野の言葉を信じるしかない。(尾形 圭亮)

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