【巨人】阿部、史上最高の虎狩り再現だ

スポーツ報知
2008年10月8日 9回、巨人のマーク・クルーン(手前)が阪神の最後の打者・赤星憲広(左)を三振に取り天を仰いで指さし喜ぶ

 巨人ナインが“必勝VTR”を頭に描きながら、9日の阪神戦(甲子園)に挑む。2年ぶりのCS進出へ、阿部は「勝てば決まるんだから、とにかく勝てばいい。それだけ」と断言。脳裏に焼き付いているGT戦ベストゲームでイメージを膨らませ、相手先発・メッセンジャーをたたく。

 伝統の一戦ではこれまで数々の激闘が繰り広げられてきたが、最も鮮烈に阿部の記憶に残っているのは、巨人、阪神が同率首位で並んで迎えた08年10月8日だ。「勝ったほうにマジックが点灯するというシビれる試合。あれで13ゲーム差を逆転した」。試合前のミーティングでは、全員で輪になって手をつないで士気を上げるなど、総力戦で勝ち取った。チーム一丸で天王山を制したことは、当時主将だった阿部にとって最高の喜びだったという。

 豪快に試合をひっくり返した、13年9月8日の対戦を挙げたのは長野だ。「6回に(高橋)監督が代打でガツンと打って、寺さん(寺内)も2者連続。1イニング3発で逆転したんです」。長野は左越え二塁打、中越え2ランと、この回2本の長打でビッグイニングの立役者となった。

 亀井は「パッと出てくるのはランニングホームラン。あの頃は足が速かったなあ」と、笑みを浮かべながら回想した。09年8月1日。風にも乗った打球は右中間フェンスにはね返って転々。チームにとって4年ぶりとなるランニング本塁打で、連敗中のベンチは息を吹き返したように活気づいた。

 小林は、守りの要として、相手打線を完璧に封じたことが印象的なようだ。「自分が打ったことよりも、バッテリーとして完封したことのほうがよく覚えています」。今季は、8月25日に菅野とのコンビで12K完封勝利に導いた。

 CS進出へ有利な状況にはあるが、もちろん自力でたぐり寄せるつもりだ。通算400号本塁打&史上最多229人斬りに王手をかけている阿部は「勝てば決まるんだから、とにかく勝てばいい。シンプルに、それだけだよ」と強調した。それぞれが「虎倒VTR」でイメージを膨らませ、決戦に挑む。(尾形 圭亮)

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