【巨人】岡本、歴史的連発 最終打席で100打点!若き4番がCS導いた

スポーツ報知
8回1死二塁、岡本が左中間に33号2ランを放つ(カメラ・矢口 亨)

◆阪神4―9巨人(9日・甲子園)

 巨人が岡本の歴史的活躍で阪神に逆転勝ちし、3位を確定させて2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。同点の7回に勝ち越しソロ、8回に2打席連発となる33号ダメ押し2ランを放った22歳の4番は、史上最年少で「打率3割、30本塁打、100打点」を達成。打っては先発野手全員の16安打で9得点だ。今季限りで退任する由伸監督は、メルセデス、畠、山口俊、菅野とつなぐ必勝継投でCS切符をつかんだ。ヤクルトとのCS第1ステージ(S)は13日、神宮球場で始まる。

 球史に刻まれる放物線が、スタンドへと描かれた。岡本の打球が左中間席へ吸い込まれると、歴史の扉は開いた。3点リードとなった8回1死二塁。望月の150キロ直球を仕留め、自身初の1試合2発&2打席連発となる33号2ラン。100打点に残り2としたシーズン最終打席で、史上最年少での3割30本100打点を達成した。チームのCS進出も決める活躍に「(意識は)多少ありましたけど、チャンスだったので何とか打ちたかった。いい結果になってよかったです」と、あどけない笑顔を見せた。

 チームに希望の光をともしたのも4番の一振りだった。6回に同点に追いつかれ、迎えた7回先頭。桑原のスライダーを振り抜き、左中間席へ32号勝ち越しソロを放った。「今日は絶対に勝って決めるという思いで試合に臨んだ」。開幕2戦目で1本塁打を含む4安打5打点で18年初勝利をもたらした男が、勝てばCS進出の決まる最終戦でも価値ある1勝を運んだ。

 これでドラフト制後、22歳以下のシーズンでは松井秀喜、坂本勇人以来の全試合出場も達成。シーズン途中で第89代4番に座ると、32打席連続無安打と苦しむことも、右手親指付近に死球を受けた影響で指の爪がはがれ、戦線離脱の危機などもあった。それでも、全てが財産となった。

 「去年はずっとファームでやっていたので、1軍の試合で打てる、打てないと悩めることが僕にとっては楽しいことだった。つらいとかはなかったです」

 今季限りでの辞任を表明している由伸監督も、期待をかけてきた若き大砲の活躍に「まだクライマックスはあるから全てを振り返るわけにはいかないけど、この1年頼もしく成長してくれたと思う。大したもんだよ。期待以上といったらあれだけど、我々の期待以上の成長を見せてくれたね」と拍手を送った。

 開幕前、胸に誓った思いがある。「来年になったら大卒の選手が即戦力で入ってくる。その選手たちに負けないくらいの成績を残したいんです」。打率3割9厘、33本、100打点。圧倒的な数字をたたき出した。

 ただ、漫画のような結末を決めても、岡本に慢心はない。初回2死二塁では中飛、1点追う3回1死満塁では見逃し三振で好機を逃した。それだけに、試合後は「僕的には1、2打席目で打てなかったことが反省です」と何度も繰り返した。

 そして、最後に初めて挑む短期決戦に向けて、「日本一を目指して頑張りたい。CSでは少ないチャンスになると思うので、何とか食らいついていきたい」。下克上での日本一へ―。頼もしさを増した岡本なら、頂点まで導いてくれるはずだ。(後藤 亮太)

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