【巨人】阿部、長嶋さん超え単独3位の2187試合出場…3回には逆転二塁打
スポーツ報知

◆阪神4―9巨人(9日・甲子園)
バチン! バチン! バチン! 二塁ベース上、阿部は力強く両手をたたいた。「食らいついていきました。(2ストライク後)いろんな球種を頭に置きながら、インサイドの球にうまく反応できました」。1点を追う3回2死満塁。メッセンジャーの内角直球を引っ張ると、強烈なライナーが右翼線で弾んだ。逆転の2点二塁打。大黒柱の一打で、主導権を奪い返した。
今季最終戦で出場試合数は2187試合となり、並んでいた長嶋茂雄を抜き、巨人では王貞治(2831試合)、柴田勲(2208試合)に次いで単独3位に立った。阿部が入団1年目に指揮官だったミスターは、今でもシーズンオフなどには食事に誘ってくれるという。「自然体でやるとこが一番大切なんだ」―。そう助言をもらった。「いつでも、もちろん気合は入れなきゃいけないんだけど、最後は一番自然な形に収まるというかね。打撃フォームにしたってそう。そういうことが俺も少しずつ分かるようになってきたかな」。長らく第一線で戦い続け、また一つ勲章を手に入れた。
百戦錬磨の男が放った逆転打を突破口に、チームは16安打の快勝で2年ぶりのCS進出を決めた。「こういうシビれる試合に勝つ力はあるんだから。挑戦者としてやっていくことが大事になる」。王手をかけていた400号本塁打、史上最多となる229人斬りは来季へ持ち越しとなったが、阿部にとっては一戦必勝の試合を勝ちきった喜びのほうが大きかったようだ。(尾形 圭亮)