【巨人】原辰徳氏、監督受諾へ ドラフト会議出席 山口オーナーは複数年契約示唆 

スポーツ報知
6月、東京ドームでの試合前に高橋監督(右)と談笑する原辰徳氏

 巨人の来季新監督候補として一本化されていた原辰徳氏(60)が10日、正式に就任要請を受け、受諾する意向を示した。この日、東京・大手町の球団事務所で、山口寿一オーナー(61)と会合を持った席で正式なオファーを受け「前向きに考えます」と伝えた。

 チームは13日からクライマックスシリーズ(CS)第1ステージでヤクルトと激突する。原氏は報道陣に対応した際、自身のことよりも日本一を目指すチームを気にかけ「最後の最後まで戦い抜いて」とエールを送った。

 巨人の再建はやはり、この男の手腕に託された。球団事務所を後にする際、原氏はさわやかな表情を浮かべ、取り囲む報道陣に対応した。山口オーナーから正式に来季新監督の就任要請を受け「前向きに考えます」と受諾の意向を示したことを明かした。通算12年で3度の日本一、7度のリーグ優勝を果たした名将による、4年ぶり3期目の政権が誕生する。

 ただ、今はまだ自身のことを語る時ではない。原氏はすぐに熱い思いを胸の奥にしまい込んだ。今季の全日程終了後に正式に決定、会見が予定されている。それまでは球団の躍進だけを願う一ファンとなる。

 「まだまだ由伸ジャイアンツの戦いが残ってます。そういう中で、全力で残りの試合を戦っていただいて、その後に私自身の気持ちというのをね」

 チームは9日の阪神戦(甲子園)に快勝し、2年ぶりのCS進出を決めた。若き主砲・岡本が史上最年少となる3割30発100打点を成し遂げる2発を放ち、高橋監督の継投策もズバリとはまった。「昨日も非常にいい勝ち方をしてね。昨日も監督とも電話で話をしました」と労をねぎらいつつ、エールを送った。

 「全日程の最後の最後まで戦い抜いた後に、お話をしたいというふうに思います」

 チームに配慮して貝になった。要請を受けた時の率直な気持ち、再建にかける思い、チームの現状をどう見ているか。全てを語るのは、由伸巨人の下克上日本一を見届けてからだ。

 現状で球団は史上最長タイとなる4年連続V逸という危機にある。原氏に先立って報道陣に対応した山口オーナーは「ジャイアンツが難しい状況にあるので、実績、経験豊富な原さんに託した」と要請理由を説明。任期についても「ある程度の年数は必要でしょうね。2ないし、3年」と複数年にわたることを示唆した。長嶋終身名誉監督にも球団職員を通じて、理解を得たという。

 ただ来季に向けた“初仕事”はすぐにやってくる。25日に行われるドラフト会議に、球団特別顧問の立場で携わることが明かされた。「来季のスタートというのは、ドラフトかなというふうに僕はいつも感じてますので。その部分においては非常に大事なものだと思いますね」。球団は1位指名を大阪桐蔭高の二刀流・根尾昂内野手(3年)に一本化しているが、中日も1位指名を公言するなど、競合は確実。坂本勇の後継者となり得る金の卵を引き当て、派手なガッツポーズはリスタートにふさわしい。間もなく、止まっていた時計の針が動き出す。(西村 茂展)

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