【侍ジャパン】稲葉監督、巨人・岡本は「スタメン・三塁」…11月の日米野球で起用へ

スポーツ報知
侍ジャパンで稲葉監督から三塁手として期待される岡本。巨人の全体練習で三塁でノックを受ける(カメラ・中島 傑)

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督(46)が11日、インタビューに応じ、11月の「2018 日米野球」(11月9日開幕・東京Dほか)で、巨人の岡本和真内野手(22)をレギュラー三塁手として起用する構想を明かした。監督就任以降、最大の懸案だった代表のホットコーナーを担う大砲として期待。岡本の台頭によって、金メダルを目指す20年東京五輪チームの骨格が固まるかもしれない。(取材・構成=宮脇 央介)

 最大目標まで2年を切った。稲葉監督が指名した日米野球のメンバー28人中、11人がトップチーム初選出。今秋のメジャー軍団との対決を、20年東京五輪の代表となり得る新戦力が経験を積むラストチャンスと捉え、選考を進めたという。

 「基本的には五輪を見据えて(選考した)。その中で、『ジャパンというのはこういうものだ』と伝えてほしい経験のある選手と、日の丸を背負う経験をして五輪に向けてステップアップしてほしい若い選手を入れました」

 経験豊富な筒香、秋山らは前者。そして後者の中に、指揮官の期待値が特に高い男がいる。今季、最年少の22歳で3割30本塁打100打点を達成した岡本だ。急激な成長曲線だけが理由ではない。稲葉ジャパン最大のウィークポイントを一気に解消する存在として注目している。

 「今年はシーズン途中からサードを守った。三塁は今、ジャパンの中で“これから探していこう”というポジション。その意味で、岡本選手を(日本代表の)サードにして、という考えを持っています」

 昨夏の監督就任以降、三塁は課題となっていた。13年WBC以降、長くホットコーナーを務めた松田宣(ソフトバンク)は五輪イヤーには37歳。昨秋は西川(広島)、今春は大山(阪神)をテストするなど試行錯誤してきた中、予想をはるかに上回るスピードで進化を示した男がいた。日米野球で岡本を正三塁手として起用する考えを明かし、期待を膨らませた。

 「人気球団で、期待をされる中で4番を務め、これだけの成績を残した。以前から長打力はあると見ていたが、今年はジャイアンツの4番として、しっかり成績を残してやってきましたから」

 現時点で4番の最有力候補には筒香、対抗馬に山川を挙げる。岡本は6番前後でポイントゲッターを任せる方針だが、「(打順を)いろいろ変えていきたい」とも言う。全6試合の中でクリーンアップに昇格する可能性もある。一塁、左翼をこなす利便性への評価も高く、侍ジャパンのキーマンとなり得る存在。稲葉監督は「2020」を強く意識してメジャーに挑むよう、全選手に訴えかけた。

 「持っている力でメジャー相手に勝負してもらう、挑戦してもらう。何が通用するか、何が足りないかを得てくれれば。五輪までに、何が良くて何が足りないかを感じて成長してほしいと思います」

 ◆第2先発構想

 日米野球では「第2先発」を置く構想も明かした。先発は岸、東ら6人で回す見通しだが、80球の球数制限があるため、展開次第で2番手にも先発タイプを送るプランを立てている。抑えは山崎を基本線に、松井と石山で方程式を形成。またオーダーについて、稲葉監督は「今年は試せる年。いろいろな可能性を考える」と、さまざまなバリエーションを用意する考えを示した。

 ◆U23合宿開始

 「第2回WBSC U―23ワールドカップ」(19日開幕・コロンビア)で連覇に挑む侍ジャパンU―23代表が11日、川崎市内で直前合宿をスタートさせた。采配経験を積む目的で、トップチームの稲葉監督が指揮を執る。合宿初日を見終えた指揮官は内田(楽天)を主将兼4番、最年少の安田(ロッテ)を中軸で起用する考えを明かし、「結束力を持って世界一をとろう」などと、選手に呼びかけた。

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