【巨人】上原、魂の17球…同じ誕生日の由伸監督と「一日でも長く過ごしたい」

2018年10月14日6時0分  スポーツ報知
  • 6回を3者凡退に抑え、ガッツポーズでベンチに戻る上原(カメラ・酒井 悠一)
  • 上原(左)とハイタッチする高橋監督

 ◆2018 マイナビ クライマックスシリーズ セ ヤクルト1―4巨人(13日・神宮)

 クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)が開幕し、セ・リーグは巨人がヤクルトに先勝した。ヒーローは上原だ。1点リードの5回2死二塁。2番手で登板すると、山田哲をフォークで空振り三振に打ち取るなど1回1/3を3Kの完全投球。17球の“神救援”を見せた。打線も同点の3回に坂本勇が決勝ソロ。7回には陽岱鋼の適時二塁打などで2点を加え、レギュラーシーズン3年越し8連敗中の小川を攻略した。14日の第2戦は菅野が先発。巨人は勝てば3年ぶりの最終S進出が決まる。

 神宮がどよめいた。リードはわずかに1点。5回2死二塁のピンチ。今村に代わり、上原の名前がコールされた。打席には山田哲。今季3打数2安打と分の悪い相手だ。だが、動じない。カウント1ボール2ストライクと追い込み、伝家の宝刀を投じた。「フォークがいい所に落ちた」。バットは空を切る。チェンジだ。拳を握り、ほえた。

 「今季は打たれているので嫌な感じがしたけど、抑えることができて良かった」。上原劇場は続く。由伸監督は「流れを変える、止めるためにいってもらった。いけそうだったので、もう1イニングいってもらった」と続投を決断。上原に回またぎを託すのは今季初だった。

 「あれこれ考えても疲れるだけなので」と上原。目の前の打者に集中した。バレンティンを捕邪飛に封じると雄平、大引を2者連続の空振り三振に仕留めた。いずれも決め球はフォーク。魂の17球。マウンド上で腹の底から雄たけびを上げ、ハイタッチを繰り返した。

 登板は9月23日の阪神戦(甲子園)以来、20日ぶり。ブランクを感じさせぬ投球術で1回1/3を3奪三振の無安打無失点。勝利投手に輝いた。国内での勝利はオープン戦を除くと08年10月23日、中日とのCS第2Sの第2戦(東京D)以来、3642日ぶり。それでも「誰が勝つより、チームが勝つことが大事」とフォア・ザ・チームを強調した。

 何としてでも勝ち進みたい。75年4月3日生まれと誕生日が一緒の由伸監督は、今季限りでの辞任を発表した。試合前、指揮官はミーティングで「全員でつかんだチャンス。思い切ってやろう」とナインに呼びかけた。上原は16年の由伸政権初年度から、海の向こうでも常に結果をチェックするなど気にかけてきた。「一日でも一緒に長く過ごしたい。10年ぶりに同じユニホームを着たわけなので、誰よりも強い思いはあります」と盟友への素直な感情を明かした。

 今季は日本球界に復帰し、監督と選手という立場でシーズンを過ごした。だが、36登板で0勝5敗、防御率3・63と苦戦した。「キャンプをしていないということもあったけど、今までに味わったことのないシーズンだった。でも、この経験は次につながるはず」。逆境から学び、プラスの力に変える。それが上原浩治の生き方だ。

 13年のRソックス時代は、ワールドシリーズで胴上げ投手に輝いた経験を持つ。大一番での快投には指揮官も「場数を踏んでる投手だから」と拍手を送った。この1勝で、広島が待つマツダでの最終Sに王手をかけた。「言われたところで投げるだけ。今はあと一個という気持ちしかない」。43歳の熱投で、流れは巨人へと傾いた。(玉寄 穂波)

 ◆メジャーでも短期決戦の鬼 上原は抑えとして13年、Rソックスをワールドシリーズ優勝に導くなど、メジャーでのポストシーズンでは日本人最多の通算7セーブ(1勝1敗)をマーク。また登板19試合も、日本人投手では最も多い。

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