【巨人】成功すれば選手をたたえ、失敗すればベンチの責任そんな野球を…原辰徳監督独占手記

スポーツ報知
見つめ合い握手をする原監督(左)と高橋前監督(カメラ・中島 傑)

 巨人に復帰した原辰徳監督(60)はこの3年間、「特別観戦記」として17年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や巨人戦で熱くその思いをつづってきた。来年、指揮官が見せる野球とは何か―。特別寄稿で読者に胸の内を明かした。また、高橋由伸前監督(43)は原監督と同席した会見で3年間の監督生活を振り返った。

 スポーツ報知読者の皆さま。4年ぶりに巨人監督に復帰しました。チームを離れた3年間は、巨人を、そして野球を外から勉強いたしました。WBCでは、侍戦士たちの雄姿を目に焼き付けました。巨人の戦いも日々、チェックしました。時には東京ドームに足を運び、首脳陣、選手とも会話を交わして戦いに挑む選手たちの表情を見るにつけ、私の中に眠っていた闘争心に火がつくのも感じていました。

 WBCでも、巨人戦でも、この3年間は「特別観戦記」として私の思いの丈を紙面で紹介してきました。常々、意識していたのは、「ベンチの都合のいい野球はいい結果を生まない」「ベンチが思い切った判断をして、選手に100%の力を出してもらう」ということです。「成功すればいいな」ではだめで、「選手がどうすれば自分を信じてプレーできるか」という表現が多かったはずです。成功すれば選手をたたえ、失敗すればベンチが責任を取る。おおげさに言えばそんな野球です。

 これは会見でも話しましたが、スポーツの原点は「のびのび、楽しく」やることです。これがなければ、悔しがったり、悲しんだりする気持ちも湧いてきません。結果はどうやっても出てしまうもの。勝つこと、負けることにおびえていては見ている方々を刺激することはできない。プレーできることを喜び、のびのびとやってもらいたい。選手たちもプロです。そしてプレーするのも選手たちです。最後は彼らも責任を持って、自分を表現できるように会話し、その上でのびのびできるように一緒に汗を流していきます。

 巨人のユニホームは簡単な気持ちで着られるものではありません。一人の野球選手として、そして皆さんに注目される一人の人間として、みんなで一丸となって成長していけるように精進します。悲願の日本一に向け、読者の皆さんの熱い応援をよろしくお願いいたします。(巨人軍監督)

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