【巨人】原監督、大阪桐蔭高・根尾「俺が引く」「必ずチームの中心、リーダーになる選手」

スポーツ報知
投打で非凡な才能を見せ甲子園で活躍した大阪桐蔭・根尾

 巨人は24日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を開き、大阪桐蔭高・根尾昂(あきら)内野手(18)の1位指名を公表した。25日に「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」を控え、午前11時から始まった同会議には原辰徳新監督も出席。約3時間後に長谷川スカウト部長が対応し、「1位は根尾でいきます」と明言した。坂本勇に次ぐスター候補生として最大級の評価を与え、投手と野手の“二刀流”も容認する構え。複数球団による抽選では、原監督がクジを引くことも確認した。

 巨人全スカウトの意見が一致した。25日。運命のドラフト会議。「第3次・原内閣」の1位指名は、大阪桐蔭の根尾に決まった。長谷川スカウト部長が取材に応じ、「全員の総意です。監督を含めて映像等を確認していただいて、みんなで決めた。明日はどんなことがあっても1位の入札は根尾くんということで決定しました」と力強く、明言した。

 夏の甲子園から、U18アジア選手権を経て福井国体と、評価はぐんぐん上がった。当初は金足農の152キロ右腕・吉田輝星投手(17)を最有力候補に挙げていたが、今月5日のスカウト会議で逆転。同部長が「身体能力もそうだけど、人間的にもすごくしっかりしている。『必ずチームの中心選手、リーダーになるという潜在能力を秘めた選手になる』と監督も言っていた」と代弁した。公表は16年に田中正義(現ソフトバンク)の1位入札以来で、正々堂々と挑む覚悟を決めた。

 指揮官はすでに、投手と野手による“二刀流”のイメージを膨らませている。基本は遊撃手として、打順は「1番か3番」。さらに根尾が頭角を現し、坂本勇がサードに回ることで「戦力強化になる」とも理想を描いた。「ただ、本人が投手もやってみたいと言うのであれば、彼の将来の妨げにならないようにアドバイスを送りながら、彼の意向に沿うような起用をしていくと監督は言っていました」とも明かした。球界には、大谷翔平(エンゼルス)という成功例があるだけに、球団側も推奨しやすい。大きな期待を持って、交渉権の獲得に挑む。

 もちろん、くじ引きは原新監督に託す。会議では「俺が引く!」と立候補。球団のシミュレーションでは「一番多く考えて7、8球団」と予想しているが、「入札しないことには当たらないから」(同部長)。原監督はこれまで、1位指名の抽選は、7戦1勝6敗。08年に大田泰示(現日本ハム)を2球団競合の末に引き当てて以来で、当時は左手でつかみ取った。同じ超高校級の根尾に対しても“黄金の左手”がさく裂するのか―。就任後の初仕事が、近未来の巨人を左右しそうだ。

 同会議では「支配下は5~7人くらい」の指名人数も確認された。その上で同部長は「ポジションを分けてではなく、総括し、ランク付けしておいて、実力優先で指名していこうとなっている」とも説明。他球団の動向もチェックしながら、1年間の総合評価順に臨む考えのようだ。その中心には、根尾がいる。“持ってる男”を獲得することが、常勝軍団構築の礎になる。(水井 基博)

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