【巨人】ドラ1・高橋優貴“全国デビュー”で名前売る

スポーツ報知
巨人からドラフト1位指名を受けた八戸学院大・高橋優貴

 巨人からドラフト1位で指名された八戸学院大・高橋優貴投手(21)が26日、“全国デビュー”を誓った。27日から明治神宮大会出場をかけた東北地区代表決定戦(福島・郡山市)がスタート。ドラ1ながら全国大会に未出場。出場権を得られれば名前が一気に広がる。福島県内で練習した左腕は、登板に向けブルペンで32球を投げ「チームの勝ちにつなげたい。結果を出したらもっともっと(名前が)売れると思う」と気を引き締めた。

 劇的な一夜から一転。高橋は浮かれることなく汗を流した。明治神宮大会東北地区代表決定戦、1回戦の東日本国際大戦先発に向けブルペンで32球。左腕から力強い直球と大きく曲がるスクリューを投げ、うなずいた。「試合のことだけを考え始めたので(指名の)実感は湧かないです」。届いた600件を超える祝福LINEも「この大会が終わって一段落したら送ろうと思います」と集中モードに入った。

 外れ外れ1位で巨人から指名。最速152キロを誇る左腕は、右打者の外角に沈むスクリューを駆使し富士大・多和田(現西武)の299個を上回る301個の奪三振でリーグ記録を塗り替えた。

 実績を残した高橋だが、全国大会は経験がなくいわば“無名”。東海大菅生高3年時の14年、夏の西東京大会決勝の日大鶴ケ丘高戦でリリーフ登板し、サヨナラ負け。八戸学院大では1年春から主戦力として活躍したが、全国の道は遠かった。明治神宮大会は世に名前が出る絶好の機会だ。「結果を出したらもっともっと(名前が)売れる。一つ一つ着実に謙虚にやっていきたい」

 歩んできた道のりに比べ、プロはさらに厳しい世界だと痛感する。「自分はただ不器用なだけ。一つ一つ着実に一段階一段階できる性格」と話し、練習ではスクワットを基本に、下半身のウェートで筋肉を大きくさせ球速アップ。テイクバックを小さくしたフォームに変更すると、制球が良くなった。

チームへ恩返しだ 大学2年時にはグラブに「一球の重み あの舞台へ」という刺しゅうを入れた。「あと一歩のところで負けている。一球を大事にすることが大事。まだチームを勝たせられていない。これがラストチャンス。何が何でも勝ちにつなげたい」とチームへの恩返しを誓う。

 努力の成果を出す時だ。プロでは「新人王を目標にしたい」と大きな夢を持つ。巨人の高橋と言えば、高橋良昌(現・善正)氏や故・高橋一三氏、高橋由伸前監督、高橋尚成氏(スポーツ報知評論家)ら活躍した選手が多くいるが「(名前が)プレッシャーに感じるという部分もあるけど、それに負けないぐらい結果出してやっていきたい」。スターへの道を駆け上がるため、高橋優貴はまず神宮のマウンドを目指す。(玉寄 穂波)

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