【巨人】宮本新投手コーチ「全員、球速3キロUP」指令!

スポーツ報知
秋季練習に向けてキャッチボールで調整する田口(左)と内海(カメラ・泉 貫太)

 来季から巨人の投手総合コーチを務める宮本和知氏(54)が26日、投手陣強化へ「球速3キロアップ」指令を下した。「球速は投手の武器。吉川光も田口も、球速が上がって良くなった」と説明。27日からは原監督のもと新体制で来季V奪回に向けて秋季練習がスタート。11月には宮崎で秋季キャンプが実施され、戦力の底上げを図る。

 さあっ、この秋のテーマは―。フリップはなくても、宮本コーチはおなじみのハツラツとした口調でお題を挙げた。「いま考えてるのは、全投手の球速アップですね。やっぱり3キロはアップさせたい。最低3キロ。吉川光夫にしたって田口にしたって、最後は球速アップしたからしっかりした投球ができたと思う」。シーズン終盤、球威や球速アップで躍動した左腕2人を引き合いに、そう力説した。

 宮本コーチは現役時代、140キロ台の速球を軸にカーブやチェンジアップなどで投球を組み立て、90年代の巨人投手陣に欠かせない存在だった。「やっぱり速球っていうのは、投手にとって何よりの武器だと思うので。だから球速アップは求めたいというところ」。右では宮国、桜井、高田。左では池田、中川、大江ら、球速にまだ伸びしろがあり、球速アップ次第では化ける可能性を秘めている投手は多い。球速が上がれば、それぞれ持っている変化球でより、タイミングをずらせる。自身が決して剛速球タイプではなかっただけに、その重要性を理解しているからこその発言だ。

 27日からは新体制で全体練習がスタートし、11月には宮崎で秋季キャンプが実施される。「テレビを通じていろんな選手とコミュニケーション取ってたので、今度は中からね。まずは宮崎で、ゆっくりと選手と個別で話をしながらね。モチベーションになるようなポジショニング、居場所っていうのをしっかりと話し合っていきたいなと思いますね」。どういう方法でトレーニングを進め、どうやって課題をクリアしていくか。長年、テレビの世界で磨いてきた“らしさ”を生かし、コーチングは対話から始まるようだ。

 原新監督は就任会見で「のびのび野球」と号令をかけ、各選手に原点回帰を求めていた。勝つ喜び、負ける悔しさを改めて思い出し、純粋な気持ちで野球に打ち込もうということだ。投手陣強化を託された宮本コーチも大きくうなずく。「少年野球のね、育ってきたビデオを見たりね。その頃に1回戻って、その野球少年の心を持って宮崎に入ってきてもらいたいなと思いますね」。与えたテーマに、投手陣はどう答えを出すか。(尾形 圭亮)

 ◆宮本 和知(みやもと・かずとも)1964年2月13日、山口県生まれ。54歳。下関工から川崎製鉄水島入り。84年ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得し、ドラフト3位で85年巨人入団。90年に14勝を挙げるなど活躍し、13年間で通算66勝62敗4セーブ、防御率3.60。3度の胴上げ投手。97年に引退後は、日テレ系「ズームイン!サタデー」出演を始め多方面で活躍。今秋から巨人投手総合コーチに就任した。

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