【巨人】10完投の菅野 沢村賞会見で話した裏方さんへの感謝、完封の美学

スポーツ報知
笑顔で受賞の喜びを語る菅野

 プロ野球で最高の先発完投型投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が29日、都内で行われ、巨人・菅野智之投手(29)の2年連続受賞が全会一致で決まった。投手の分業制が確立された現代プロ野球で、選考基準となる7項目全てをクリア。2年連続受賞は杉下茂、金田正一、村山実、斎藤雅樹に次ぎ史上5人目となった。

 受賞決定を受け、菅野は都内のホテルで会見を行った。代打が送られることもあるセ・リーグにおいて10完投8完封という圧巻の成績を残した絶対エース。会見では「常に、マウンドに上がる以上は最後まで投げるという気持ちを持っています。夏場以降にすごいいい成績を去年も今年も残せたという印象があるんですけど、やっぱりそこというのは自分一人の力ではどうにもならない部分があるので、トレーナーさん、トレーニングコーチに本当に支えてもらって、裏方さんがいなければ僕はこの世界で生きていけないなと思います」と感謝の思いを口にした。

 また、完封への思いを聞かれると、エースとして、先発投手として自身の考え方をこう明かした。

 「いろんな意見があると思いますが、自分の中では僅差(の試合)で完封するほうがよっぽど優しいんじゃないかなと。もちろん気持ちの入り方もそうですし、1点もやれないという気持ちも常にあるので、そういう気持ちを持った中でのピッチングはある程度ゼロに結びつきやすいのかなと思います。ただ、5点差以上開いてある程度ソロホームランOKとか、あとはランナー三塁で内野が下がってしまったり、2アウト二塁でも外野が定位置やや後ろくらいなのかなと、そういうなかなかピッチャーにしか分からないシチュエーションがあるので、やっぱり完封というのは僕の美学でもありますし、本当に格別なものがあります。どんな点差であろうが、僕は大胆にど真ん中に投げることはしたくない。これからもゼロにこだわってやっていきたいと思います」

 今年は8完封のうち5完封が5点差以上の試合。次の試合に投げる投手のことも考え、相手打者を乗せないために徹底的に抑え込む高い意識が結果に表れた。

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