【巨人】沢村賞選考委員長の堀内氏「菅野、ありがとう!」会議の舞台裏を語る

スポーツ報知
沢村賞を発表する堀内恒夫選考委員長

 プロ野球で最高の先発完投型投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が29日、都内で行われ、巨人・菅野智之投手(29)の2年連続受賞が全会一致で決まった。

 投手の分業制が確立された現代プロ野球で、選考基準となる7項目全てをクリア。選考会議は議論の余地なく、わずか10分で満場一致で決定した。

 一夜明けた30日、選考委員長の堀内恒夫氏が自身のブログ「今日もどこかであくたろう」を更新。「沢村栄治賞の総評」というタイトルで選考の舞台裏を明かした。

 選考委員は平松政次氏、堀内恒夫氏、村田兆治氏、北別府学氏、山田久志氏。堀内氏は「しかし昨日は決まるのが早かったよ。ものの10分かな(笑)」と菅野にすぐに決まった会議を振り返った。

 その上で「9月の時点では広島の大瀬良くん 西武の多和田くん この2人の名前が挙がってて 大瀬良くんの方が一歩リードしてはいたものの今年は揉めるかな~なんて思ってたんだ。そこへ菅野のラストスパートこれは凄かったねぇ。終わってみたらただ1人選考基準7項目全クリアだもんね」とし、シーズン終盤の4先発連続完封、41イニング連続無失点など圧巻の投球を見せた菅野をたたえた。

 リリーフとの分業制がすすむ現代野球において、今年の菅野は10完投8完封。堀内氏は「ピッチャーの分業制が確立してきた今 選考基準を達成するのが難しい数字的に厳しいんじゃないかそういう意見が内外からある。でも俺としては賞の冠に「沢村栄治」という名前をつけている限り先発完投型でその年のNo.1ピッチャーに授与するという伝統は継承していきたいそう考えているんだ。そして沢村さんの栄光に傷をつけないよう目標も高くもっていたい。だからこそ安易に基準の数字を下げたくない。でも、近年なかなか達成できない それも現実としてあるので今季から沢村賞独自のQSの数も考慮することにした。独自のQS(クオリティースタート)とはMLBの基準である6回以上自責点3以内ではなく7回以上自責点3以内とした。これも完投してもらいたいという意味をこめてあえて7回に設定したんだ。でも今回はそんな議論をよそに菅野が全項目をクリアしてくれた。分業制が確立した今でもクリア出来ないことはない。やれるんだ。それを裏付けてくれた大変意義のある沢村賞だったと俺は思っている。菅野、おめでとう!そして、ありがとう!」と最大級の賛辞を記した。

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