【巨人】原監督、秋季キャンプはサバイバル 2日目いきなり紅白戦

スポーツ報知
宮崎の空の下、キャンプインを前に意気込む原監督(カメラ・相川 和寛)

 巨人の原辰徳監督(60)が30日、秋季キャンプ2日目となる11月1日から紅白戦を行う異例のスケジュールを明かした。期間中に計7度もの実戦を行い、試合での対応力などを見極めていく。チームは31日のキャンプインに向けこの日、キャンプ地の宮崎へ移動した。

 原監督がいきなり、アピール合戦のゴングを打ち鳴らす。これまで秋季キャンプは“実戦漬け”になることを予告していたが、その初戦がなんとキャンプ2日目の11月1日になることを明かした。「こっちも見たいし、彼らもいいコンディションだからゲームで見せたいだろうしね」と若手の意欲をさらに、かき立てた。

 31日にキャンプインしてから11月18日に打ち上げるまで、紅白戦は4試合を予定している。3日と15日には韓国プロ野球・ハンファとの練習試合も決まり、第1クールから2試合が行われる。8日に開催されるMLBオールスターとの日米野球エキシビションゲーム(東京D)も含め、シーズン後に7度もの実戦は異例だ。来季、原監督は4年ぶりに指揮を執る。「(全選手の力量を)コーチも把握していないところがあるし、(選手も)アピールしたい、いいところを見せたいというところだね」。正確な力量を見定めていく。

 キャンプ2日目の実戦は、第2次政権時の10年にも同様に紅白戦を行った例はある。「(2~3年後の)近々未来」を担う若手が主体となるこの秋で、実戦を通じて新たな可能性を発掘する狙いがある。それだけでは終わらない。「その後は矯正練習」と練習量もしっかり確保する“地獄”を予告。試合でつかんだ感覚を忘れないうちに野手にはバットを振り込ませ、投手にはフォームを固めさせるつもりだ。

 宮崎に、原監督が帰ってきた。秋季キャンプとしては11年以来7年ぶりの秋の宮崎だ。27日からG球場で行われた秋季練習ではアンダーシャツの上に球団のジャンパーやウィンドブレーカーなどを身につけていたが、キャンプからは15年シーズン以来のユニホーム姿も“解禁”となる。06年の春季キャンプから打撃ケージ裏に設置されていた高さ約3メートルの司令塔、通称「原タワー」も復活させる見込みで「あれはね、よく見えるんだよ。本当に全部が見える」とグラウンドをくまなくチェックする。新調されたノックバットも持ち込んでおり、若手に思い切り愛のノックを浴びせる可能性も十分にある。

 キャンプインを翌日に控えたミーティングでは選手全体に約15分の訓示を行った。就任当初から口酸っぱく言うコンディション管理の徹底、少年野球を始めた頃のように失敗を恐れずにのびのびとプレーすることを改めて求めた。「明日から少々きつい練習になるが、多少の苦しみがないと栄光はつかめない。一生懸命、汗をかいた選手には見返りが必ずくる。一人も取り残されることなく、チーム一丸となって戦っていこう」。来季への戦いが始まる。(西村 茂展)

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