【林家三平のドームすいません】原巨人は、ホンモノの木造天守閣だ

スポーツ報知
15年の沖縄キャンプ訪問時に、ツーショットに応じてくれた原監督

 原辰徳監督はいま、立派な城を築こうとしています。“見せかけ”のコンクリート製ではありません。誰からも愛される、本物の完全木造建築です。復元工事に入っている名古屋城のようなイメージです。

 失礼な言い方かもしれませんが、選手のみなさんは「建材」です。若いけど目利きのいい由伸さんが、3年間、全国各地をまわって、いい木材を集めてくれました。これを宮本さん、水野さん、元木さん、尚広さんといった職人さんたちが、適正サイズにカットしたり、カンナをかけて磨きはじめました。

 この職人さんたちの特徴は、みんな腕利きであるだけでなく「弁が立つ」ことです。弁が立つ人は、人を育てるのもうまい。私のいる世界でも、しゃべりのうまい人は出世します。エッ、落語の世界だから当たり前だろう、って。

 「辰徳城」は、まだ基礎工事。土台がしっかりしていないと、エラーが多かったり、無駄な四球が多かったり、進塁打のような意味のある凡打が少なかったりするんだと思います。まずは、立派な杭を打ちましょう。杭に悔いなし…。

 野球とお城の話が混ざってしまって、どーもすいません。

 ところで、木材だけで何層もの天守閣を組み立てるのって、かなり難しいことだと想像します。コンクリートと違って、寒暖の差によって膨張したり収縮することもあるでしょう。キッチリカッチリ作りすぎず、ある程度、寸法に余裕を持たせる「遊び」も大切では。そのあたり、現場監督の原さんは分かってます。就任した時に「のびのびやろうぜ」と言って、「遊び心」を注入することも忘れません。

 完成したあかつきには、天守閣のてっぺんで、2体の金のしゃちほこが、まぶしいくらいの輝きを放っていることでしょう。ひとつはもちろん、岡本さん。もうひとつはこれからです。原監督が、光る原石を“岡本級”にまで、押し上げてくれることでしょう。頑丈で、魅力的な、日本一の名城を築くのを楽しみにしています。良いチームは「作る」のではなく「築く」もの。みなさん「キヅキ」ました?

巨人

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