【巨人】オリックス退団の中島宏之を調査…交渉解禁に備え

スポーツ報知
オリックスを退団、巨人が獲得調査に乗り出す中島

 巨人が、オリックス退団が決まった中島宏之内野手(36)の獲得に向けて調査していくことが2日、分かった。今季で4年契約が満了した中島に対して、オリックス側は再契約に向けて交渉してきたが、条件面で折り合いがつかずにこの日、退団が発表された。今後は自由契約選手として公示され、他球団との交渉が解禁となるが、巨人側はその時に備えて調査を進める模様。通算1759安打を誇る打棒は衰えを見せておらず、総合的に調査した上で判断するとみられる。

 原巨人の“有事”に備えた動きが判明した。この日、オリックスが中島放出を決めた。来季への残留交渉を進めていたが、条件面で折り合いがつかなかった。今後は自由契約選手として公示され、他球団との交渉が可能となるが、それまでに巨人側は、来季5年ぶりのV奪回を目指すチームの戦力になり得るのか、調査する方針を固めた模様だ。

 今年で36歳となった中島だが、体力面での衰えは感じさせない。6月に左太もも裏の肉離れで戦線離脱したが、計77試合で打率2割8分9厘、5本塁打をマーク。逆方向へも長打が期待できるパンチ力に、柔らかなバットコントロールは健在で、主に5番打者として打線を引っ張った。9月1日の西武戦(京セラD)では、9回に逆転サヨナラ3ランを放つなど勝負強さは一級品。国際経験も豊富で、特に09年の第2回WBCでは「2番・遊撃」として原監督の下でプレーし、世界一を勝ち取った経験もある。

 巨人は現在、世代交代の過渡期を迎えている。だが今季を見ても、阿部や亀井らベテラン勢の力があったからこそ、若手が思いきってプレー出来た側面もあった。また、チームの代打には左打者が多いが、右打者の層は比較的薄く、もし中島を獲得できたとなれば、相手には脅威になるだろう。守備面でも元々は遊撃手も、現状、一塁と三塁も守れるユーティリティーさを兼ね備える。スタメンでも、切り札役としても、戦略に幅を広げられる存在で、原巨人が調査する価値は大きい。

 宮崎では若武者たちが来季のレギュラー奪取へ目の色を変えて練習している。第3次政権となった原監督の下、吉川尚や大城、田中俊、和田、石川など有望な選手は多い。一方で“計算できる選手”の補強も優勝を目指す上では急務。水面下では着々と進められており、国内FA権を持つ西武の炭谷銀仁朗、広島の丸佳浩をともに調査中。宣言した場合に備えている。また、今季限りでマリナーズを退団した岩隈久志の動向も注視している段階だ。

 今オフ、首脳陣の大幅な刷新から始まり、計17選手が引退、または自由契約、移籍となった。若手の育成を最優先している中で“血の入れ替え”から生まれる競争も重要視し、戦力アップにつなげる狙いがある。原監督とフロントが一体となり、新生巨人軍を作る途上で、中島調査に着手する。

 ◆中島 宏之(なかじま・ひろゆき)1982年7月31日、兵庫県生まれ。36歳。伊丹北高を経て、2000年ドラフト5位で西武入団。04年に遊撃手のレギュラーとなり、09年に最多安打のタイトルを獲得。12年オフにFA宣言し、アスレチックス入団。メジャー出場はなし。15年にオリックス入り。16年から「裕之」を「宏之」に改名。通算成績は1639試合で打率2割9分6厘、194本塁打、914打点。180センチ、90キロ。右投右打。年俸3億5000万円。既婚。

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