【巨人】高田が2回無安打無失点、最速152キロ…日米野球でメジャーも斬る

◆秋季宮崎キャンプ練習試合 巨人6―3韓国・ハンファ(3日・サンマリン宮崎)
巨人の高田萌生(ほうせい)投手(20)が3日、秋季宮崎キャンプで行われた韓国プロ野球・ハンファとの練習試合に5回から登板。最速152キロをマークするなど2回をに抑えた。第3次原政権初の対外試合で、白星発進に貢献。原監督は更なる飛躍を期待し、あえて賛辞を“封印”した。2年目右腕は、8日の日米野球エキシビションゲーム・MLBオールスター戦(東京D)登板も内定。メジャー斬りで来季ローテ入りへ弾みをつける。
胸の高鳴りを抑えるように、高田は思い切り腕を振った。5回2死。カン・ギョハクを三ゴロに仕留めた1球は、自己最速にあと1キロと迫る152キロを計測。「監督が後ろにいたので、力が入りました」。本塁後方、やや一塁寄り。“原タワー”からの指揮官の視線を、パワーに変えた。
3番手で同点の5回から登板した。先頭のパク・ジュンヒョクのバットをへし折って二ゴロに切り捨てるなど、球威は抜群。「打者を差し込めていたので良かった」。スライダー、カットボールのキレも上々で、2回を一度も外野に運ばれることなく、完全に抑え込んだ。
今季7月29日の中日戦(東京D)でプロ初登板初先発したが、2回6失点。「レベルの高さが身に染みて分かった」。その後、小谷2軍投手コーチ(当時)と投球フォームを見直した。今季から解禁された2段モーションを導入。ゆったりと足を上げ下げし、リリースの瞬間に最大の力を発揮できるように意識した。球の切れが増し、イースタンで最多勝を獲得するなど、着実に段階を踏んでいる。
前日2日のブルペン投球を視察し「実戦が非常に楽しみ」と評価していた原監督。だが、期待通りの快投を見せた右腕へのコメントは思案顔で「察してください」と歯切れが悪かった。
「まだまだ(成長の)途上だし、僕があんまり喜んだコメントを出してもね。いい時間を過ごし、現在まで来ている。しかし、彼が求めているもの、我々が求めているものはまだまだ高い位置にある」。将来、巨人を背負って立つような投手になる可能性を感じ取っているからこそ、評価をあえて先送りとした。
充実著しい2年目の秋。この日の快投で、8日の日米野球エキシビションゲーム・MLBオールスター戦(東京D)の登板を勝ち取った。モリーナ(カージナルス)やハニガー(マリナーズ)、ら強打者がそろう打線は、願ってもない腕試しの機会。「スピードだけでは通用しない。逆球にならないように意識したい」と抑え込む気満々だ。メジャーのスターを踏み台に来季の開幕ローテまで一気にジャンプアップする。(西村 茂展)
◆高田 萌生(たかた・ほうせい)1998年7月4日、岡山・新見市生まれ20歳。小3からソフトボールを始め、高知・明徳義塾中出身。岡山・創志学園高3年の春夏に甲子園出場。16年ドラフト5位で巨人に入団。イースタン・リーグでは今季21試合で11勝2敗、防御率も2.69で最多勝を獲得。名前の萌生は「芽ばえる」という願いを込めてつけられた。178センチ、75キロ。右投右打。年俸540万円。