【巨人】池田駿、CSベンチ外の悔しさ糧に “ポスト山口鉄”争いへ新球磨く

スポーツ報知
巨人の池田駿投手

 巨人の池田駿投手(25)が、強い気持ちで秋季宮崎キャンプに臨んでいる。

 2年目の今季はリリーフで27試合に登板、防御率4・07。プロ初勝利も挙げた。昨年の33登板を下回るも、7月27日に再昇格して以来、後半戦は1軍に帯同し続けた。首脳陣の期待の大きさの表れだが、大事な場面での起用は少なかった。

 10月4日の広島戦(マツダ)。先発要因の今村がリリーフ待機し、代わりに池田がベンチ入りメンバーから外れた。同9日のレギュラーシーズン最終戦・阪神戦(甲子園)も池田はベンチ外だった。

 1軍登録は28人まで可能だが、ベンチ入りは25人まで。通常は登板しない先発投手がベンチ外になるが、先発陣がリリーフ待機すれば、誰かをベンチから外さなくてはいけない。CSでは吉川光がリリーフ待機。池田は1軍登録されていながらベンチ外が続き、10月18日、同日のCS最終S第2戦・広島戦先発の田口に代わり登録抹消となった。

 もちろん、チームが勝つための最善策であると池田自身、受け止めていた。一つの目標に向かって全員で一丸となっている中、仲間と一緒に最後まで前を向いて戦い抜いた。同時に自身の力不足、信頼のなさを痛感し、上を目指す思いがさらに増したという。

 「正直(ベンチを外れるのは)試合で打たれるよりも悔しかったです。今年は自分が思うような投球が全然、できなかったです」

 シーズン終盤、斎藤雅樹投手総合コーチ、豊田清投手コーチ(シーズン後に退団)からシュートの習得を勧められた。それまで変化球は主にカットボール、チェンジアップで勝負してきたが、新球を練習のキャッチボールなどで特訓した。徐々に手応えを得ていたが、試合で使う機会がないままシーズンを終えた。

 「斎藤さん、豊田さんから『左のインコースを攻められないと抑えられない』という話をしてもらい、いろいろと教えていただきました。球速はまっすぐと同じくらいのイメージで、このキャンプでも取り組んでいます。左打者に踏み込ませないためにも、しっかり投げきれるようにしないといけないです」

 秋季キャンプ2日目の今月1日、原監督となって初実戦となる紅白戦に池田は登板した。実戦でシュートを初めて投げた。試しながらで、左打者の内角に大きく外れる球もあったが、それだけ内角の厳しいコースに意識的に投げようとしていることが伝わってきた。

 巨人は9年連続60試合登板など絶対的な左のリリーフとして長年ブルペンを支えた鉄腕・山口鉄也投手が今季限りで現役引退。今季1軍で勝ちパターンに定着した左の中継ぎはいなかった。来季の起用法は現状白紙。吉川光、池田、中川、戸根、森福、高木らが「ポスト・山口鉄」の座を争うことになりそうだ。

 新任の宮本和知投手総合コーチは、勝ちパターンについて「2パターン作りたい」とリリーフのローテーション制を目指す構想を掲げていて、池田らには大きな期待がかかる。

 「この秋はシュートとストレートを磨くこと。1イニングしっかり任せてもらえる投手を目指して練習します」と池田。CSの悔しさを糧に、3年目の来季への戦いは始まっている。

     (片岡 優帆)

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