【巨人】原監督、「新米のつもり」3年ぶり東京ドームで「83」お披露目

巨人・原辰徳監督(60)が8日の「日米野球エキシビションゲーム 巨人対MLBオールスター戦」(東京D)で復帰後の初采配を振るう。指揮官は7日、秋季キャンプ地の宮崎から帰京し「新米監督のつもりでやる」と決意表明した。MLBオールスターチームのベースコーチを務める松井秀喜氏(44)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=は、東京ドームに凱旋。ヤンキース55番のユニホーム姿を披露した。
新たなスタートに向け、まっさらな気持ちだった。原監督は、第3次政権での初采配を前に、素直な胸の内を明かした。「新米監督のつもりでやっているから。もうこの十何年のキャリアは捨てているからね」。監督として延べ12年指揮を執り、3度の日本一、7度のリーグ制覇を達成した名将は、輝かしい実績に“別れ”を告げた。
15年10月12日、阪神とのCS第1ステージ第3戦以来、1123日ぶりに、巨人・原監督が東京Dに帰ってくる。一塁側ベンチの最も本塁寄り。見慣れたはずの光景も、新鮮に映る。「そういう感じになるかもしれないね。震えるかもしれない」と若大将スマイル。キャンプ中は常にウィンドブレーカーなどを着用していた。新しく背負う「83」のお披露目となりそうだ。
若手も多く出場する試合。求めるものは背伸びしない、ありのままの自分だ。「ゲームというのは力試し、腕試しである」。休養日を含め、ここまで8日間行った秋季キャンプで、指揮官が参加選手に訴え続けてきたことだ。
「そういう精神状態で戦う。試合になったら、とか、試合での打ち方なんてのはないわけだから。そうすれば平常心に近い状態で、試合も臨むことができるのではないかなと」
楽しみな対面も待っている。MLBオールスターのベースコーチを務める松井氏だ。今年7月の殿堂入り表彰式や8月8日の巨人・阪神戦(東京D)でともにテレビ解説を務めたりと、顔を合わせてはいるが、やはり特別な後輩だ。「ゴジ? (持ち場は)どこなんだろう。三塁(コーチ)は難しいな。一塁だったら『こっち戻ってこい』って」。笑いながら手招きして、古巣復帰を“勧誘”した。
この日で秋季宮崎キャンプは折り返した。ここまで、選手の個性の見極めに重きを置いた。「素材としては非常にいい選手がそろっている」とした上で続けた。「1軍でやるには図抜けた力が必要。我々が後押ししながら、本人たちはどう立ち上がるか」とさらなるレベルアップを求めた。世界の技に触れ、何かを感じろ。原石を引き連れた原監督が、新たな一歩を踏み出す。(西村 茂展)