【巨人】原監督、1123日ぶり東京ドーム采配 背番号「83」初披露 

スポーツ報知
4回1死二、三塁、ランニング本塁打を放った代打・松原を迎える原監督(中央、カメラ・清水 武)

◆日米野球エキシビションゲーム 巨人6―9MLB(8日・東京ドーム)

 久しぶりの感覚に、体が熱くなった。原監督は試合後、率直に胸の内を明かした。「緊張感ありましたし、選手とベンチが一体となって戦ってるなというものを感じました」。第3次政権初采配。黒星となっても独特の雰囲気に包まれた2時間54分は充実していた。

 15年10月12日、阪神とのCS第1S第3戦以来、1123日ぶりに、監督として東京Dに帰ってきた。巨人軍監督として2期延べ12年にわたって指揮を執り、3度の日本一、7度のリーグ制覇を達成した実績との決別を宣言して臨んだ。「非常に新鮮な形で東京ドームで監督として、采配を振るった」。生還した選手には右手のグータッチで応じた。右翼席を埋めたG党からは、現役時代の応援歌と「タツノリ・ジャイアンツ」の合唱が降り注がれた。かつてあった“日常”がよみがえった。

 試合前のセレモニー。第3次政権で新たに背負う「83」を初めて披露した。原点、初心に帰るとして、初めて監督を務めた02年に背負った番号だ。秋季キャンプ中はウィンドブレーカーなどを着込んでいた。「僕はミスターじゃないからさ」と3番のお披露目が注目されていた恩師を引き合いに出してかわしていたが、東京Dのファンの前で、第一歩を踏み出すという指揮官の気持ちの表れだったのかもしれない。

 メジャーのオールスターを相手に、結果は敗れた。だが、松原、石川らを筆頭に若手が持ち味を存分に発揮し、相手を上回る12本の安打を放った。「攻撃陣には非常に自信になったと思う。日本の『野球』が通用した。しっかりと胸を突き合わせた勝負をしたいといつも言っているが、できたと思う」。恥じることはないと自軍を誇った。

 世界の一流の技術、パワーを目の当たりにし、そして自軍の1軍と交ざっての試合。プロで求められるレベルの高さに触れた若手に向け、原監督は言った。「『自分たちも同じ土俵で戦ってるんだ』『我々にもできるんだ』ということを思ってくれたら、チーム力も上がっていく」。貴重な経験を生かすも殺すも自分次第。全てを糧に実りの秋へ。また鍛錬の日々に戻る。(西村 茂展)

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