【巨人】松原の「日米野球ランニング弾」は原監督も経験者!日米野球でプロ1号は中畑以来

スポーツ報知
4回1死二、三塁、左中間へランニング本塁打を放った松原(左は元木コーチ)(カメラ・相川 和寛)

 巨人の松原聖弥外野手(23)が8日、日米野球のエキシビションゲーム「巨人対MLBオールスター」で歴史的な一打を放った。

 4回1死二、三塁から代打で登場すると、右投手・オテロの初球をとらえて左中間へのランニング3ランホームラン。外野手が交錯して白球が転々とする間に、快足を飛ばして一気にホームまでかえってきた。

 松原は今年までの2年間で1軍出場なし。1軍での初打席で「プロ初ホームラン」という離れ業だった。

 日米野球での代打本塁打は92年の全日本対全米7回戦の高橋智(オリックス)以来26年ぶり。ランニングホームランは56年の巨人対ドジャース16回戦での藤尾茂(巨人)、81年の全日本対ロイヤルズ3回戦での原辰徳(巨人)、93年のダイエー・巨人連合軍対ドジャース1回戦で湯上谷宏(ダイエー)がサヨナラで記録して以来、史上4人目の偉業。全米チーム相手では松原が初の快挙となった。

 ベースを一周して一塁ベンチに戻ると、原監督とのグータッチ。原監督は満面の笑みで拍手を送っていたが、もしかしたら自身も打ったことがある「日米野球ランニング弾」を思い出していたのかもしれない。

 松原は16年の育成ドラフト5位で巨人入団し、今年7月に支配下登録された。これまで1軍出場なし。1軍で未経験の一発を日米野球で打ったのは、78年の巨人対レッズ1回戦で、入団3年目の中畑清がマークして以来。2年間で通算124試合に出場した2軍イースタン・リーグでも一発のなかった松原が、大舞台で“プロ初アーチ”をランニング本塁打で記録した。

 大阪出身。一般受験で宮城・仙台育英高に入学したが、高3夏はベンチ外。その後、部員の集団転向で部員不足となった駅伝部に助っ人として所属し「毎日1時間走りっぱなしでした」と脚力を鍛えた。

 首都大学リーグ2部の明星大では二塁手から外野手に転向し、5季連続ベストナイン。ドラフト指名されなければ、本格的な野球は引退して一般就職を検討していたところで、最後の最後に巨人から育成で指名され、夢への挑戦権をつかんだ苦労人。明星大史上初のプロ野球選手となった。

 原監督が「天才的」とバットコントロールを高評価する左打者。若大将と絶好調男がかつて日米野球で成し遂げた快挙を一振りで達成した松原。何かを持っている男なのかもしれない。

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