【巨人】ドラ1高橋優貴、背番号「12」 12人目の新人2ケタ勝利誓った

巨人からドラフト1位指名を受けた八戸学院大・高橋優貴投手(21)が9日、青森・八戸市内のホテルで契約金1億円、年俸1500万円、出来高5000万円で仮契約した(金額はいずれも推定)。背番号は「12」に決定。巨人の新人では13年の菅野以来12人目となる2ケタ勝利を目指す。年の離れた弟がベースボールカードを大量に集めていることもあり「小さい子に夢を持ってもらえるような存在になりたい」と自身のカード化にも意欲を燃やした。
決意と覚悟を強く持った。高橋の表情はどこかハツラツとしていた。提示された背番号は「12」。近年では07~16年は鈴木尚広氏(来季1軍外野守備走塁コーチ)、17年からは今季限りで引退した脇谷がつけていた番号。新人での10番台は球団からの期待の表れだった。
「巨人の12番は高橋だと言われるように頑張りたい。最近では野手の選手がつけていた番号。これからは『12番は投手番号だ』と、左投手としてのエース番号になれるような投球をしていきたい」
未来の左腕エースの姿を憧れの表情で見る少年が会場にいた。高橋の11歳差の弟・俊士(すぐる)君だ。日本代表のリュックから取り出したのは、大量のベースボールカードが入ったファイル。プロ野球大好きな弟にとって兄の巨人入りは自慢。カードの一員になることに「すごい…」とうれしそうにつぶやいた。
優貴も少年時代はカード集めが大好きだった。家には兄弟合わせて1600枚ほどあるという。「自分の物が作られるのは想像もつかない。ああやって小さい子に夢を持ってもらえるような存在になれるよう頑張りたいと思います」
「夢」になれるよう、まずは結果が求められる。高橋は目標に自身の背番号「12」並みの2ケタ勝利を掲げた。来季もし、2ケタ勝利を飾ると巨人の新人では13年菅野以来12人目の快挙だ。「勝ちが多ければ多いほどチームの優勝が近づく。できるだけの多くの勝ちをもたらして、優勝という目標に貢献できればなと思います」
結果を残せば新人王も夢ではなく、ベースボールカードもチームの数人、主力だけが許されるキラキラカードにだってなる。「小さい頃は光っているのが良かったので、キラキラのカードが当たれば盛り上がった。タイトルを取れるような選手になりたい」と笑った。
八戸学院大では1年から北東北大学リーグ戦に登板し、50試合で通算20勝。チームは全国にたどりつくことができなかった。だからこそ白星の大切さを痛感している。「高校、大学と全国大会の表舞台には立っていないが、プロの世界で結果を残せればそういうことは関係ない。結果を意識してやっていきたい」
1月の合同自主トレに向け、現在はランニングやトレーニングで体づくりを重点的に行う。「まだまだ体も大きくしないといけないのでまずは土台づくりをしています」。憧れの舞台に立った。もう夢を見る立場じゃない。次は夢を与える立場だ。(玉寄 穂波)
◆高橋 優貴(たかはし・ゆうき)1997年2月1日、茨城・ひたちなか市生まれ。21歳。田彦小3年時に勝田スポーツ少年団で野球を始める。田彦中では友部シニアで投手としてプレー。東京・東海大菅生では1年夏からベンチ入り、3年夏は西東京大会準優勝。青森・八戸学院大に進学。178センチ、82キロ。左投左打。家族は両親と弟。