【巨人】原監督、和田恋に熱血指導40分「失敗してもくよくよする必要ない」

スポーツ報知
和田(右)に熱血指導をする原監督(カメラ・中島 傑)

 巨人・原辰徳監督(60)が10日、8日に行われたMLBオールスター戦(東京D)の敗戦を肥やしにする“原流・反省会”を実施した。3球三振で2打席目に代打を出された和田恋(れん)外野手(23)には、約40分間にわたるマンツーマン指導。かつて坂本勇にも教えた練習法を伝授した。練習前には、全選手を集めた青空ミーティングを開催。約10分間、吉川尚輝内野手(23)や重信慎之介外野手(25)らを名指しして、反省点を指摘した。

 突き放してムチを振るい、向かってくるものにはアメを与える。これも、原監督ならではの指導法だ。フリー打撃が始まると、和田に歩み寄った。あの3球三振から2日。反省を糧とする熱血指導が始まった。「本人がどうやって感じてくれているか」。そう期待を込めた40分間だった。

 手取り足取りの打撃指導は、あの坂本勇を超一流に成長させた練習法だ。体を一切開かずに、バットのグリップをボールまで最短で向かわせる。あとは体の回転を加え、ヘッドスピードで球をはじき返す。この動きを繰り返した。“壁”が早く開く点を修正するもので「技術は一足飛びにつくものではない。一歩一歩だよね。辛抱強く『よし』と思ったものはやってほしいね」。

 8日のMLBオールスター戦。2点を追う2回2死一、三塁。和田は右腕ベラスケスに外角スライダーを3球続けられ、空振り三振。「いつも伸び伸び打っているのにあの打席は…」。あまりのふがいなさに、原監督は次打席で代打を告げた。

 その後、ベンチで和田を呼び寄せ、苦言を呈した。「俺は恋ちゃんは好きだよ。でも、あの姿は嫌いだ」。それから2日後。ひたむきに振り込む姿に指揮官は引き寄せられた。「失敗してもくよくよする必要ないの。肥やしにするのよ、全て。栄養にするの」

 練習前にはナインの中心に立ち、約10分間の“青空指導”も実施。テーマは3点。「チームの約束事、盗塁論、もう一つ言ったのが勝負には分岐、あやといったものがある、と」。全員の前で吉川尚、立岡を名指しし、走塁面の反省点を指摘した。重信には準備の重要性を説いた。流れの中でのサインミスや、勢いを遮断する「間」があってはチームプレーにはならない。「結果オーライは我々は許さない」と言い切った。

 秋季キャンプは技術向上はもちろん、チーム方針を確認する場でもある。リーグ優勝7度、日本一3度を誇る名将は「分かりやすく説明してあげることがとても大事なことだから」と有意義な時間を作った。非情の中に優しさがあり、会話して、動く―。原監督は「時に鬼にならなければいけない時はあるからね」とも付け加えた。(水井 基博)

巨人

×