【侍ジャパン】巨人・岡本、松井コーチと並んだ 日米野球初アーチ「目の前で打ててうれしい」

スポーツ報知
2回無死、岡本が中越えソロを放つ(カメラ・馬場 秀則)

◆日米野球第5戦 侍ジャパン6―5MLBオールスター(14日・ナゴヤドーム)

 日米野球は、ナゴヤDに舞台を移して第5戦が行われ、巨人・岡本が待望の初アーチを放った。「5番・一塁」で出場し、2点を追う2回先頭で中越えソロ。7回には右前安打を放ち、この試合前まで計11打数1安打だった苦境を脱した。日本は7回、岡本の安打から始まり、最後は代打・山川の同点2点二塁打で一挙4点。8回に甲斐の適時二塁打で逆転勝ちした。対戦成績を4勝1敗とし、2大会連続の勝ち越しを決めた。15日に同球場で最終第6戦が行われる。

 メジャーの強打者にも引けを取らない破壊音が、球場に鳴り響いた。日の丸を背負った岡本が、待望の一発を放った。2点を追う2回先頭。ブルワーズの17年開幕投手で、初戦の対決で2打数無安打に抑えられたゲラの高め直球をたたき、バックスクリーン最前列へ1号ソロを放った。今年の巨人春季キャンプで指導を受け、この日はベンチで見守ったMLB選抜の松井ベースコーチに並ぶ、22歳4か月での日米野球での一発。「目の前で打つことができて素直にうれしい」と笑みを浮かべた。

 今季史上最年少で3割30本100打点を達成したが、球宴やCSでは思うような結果を残せなかった。「力んでしまうんですよね。慣れないからですかね…」。シーズンとは違う戦いになると、打撃に微妙なズレが生じていた。

 初めて侍ジャパンに選出され、迎えた日米野球でもメジャーの投手が繰り出す動く速球に苦戦し、3戦目まで計11打数1安打。4戦目は野手では唯一出番がなかった。広島からの移動試合だったこの日は全体練習前に早出でティー打撃を行い、試合前のフリー打撃では中堅から逆方向への意識を徹底。「体とバットが離れていて、体の近くを通すことを一番意識して練習に取り組んだ」と振り返る。

 その効果もあり、4点を追う7回先頭では今季世界一のRソックスで主にリリーフとして活躍したベラスケスからチーム2安打目となる右前安打。「ホームランもヒットもいい方向に打ち返せてよかった」。この一打から打線はつながり、一挙に4点を奪うと、8回に甲斐の勝ち越し打でチームは3度目の逆転勝利で2大会連続の勝ち越し。稲葉監督も「最高の逆転で勝てた」とたたえた。

 日米野球期間中、岡本は世界レベルの打撃に胸を躍らせていた。守備位置から目に焼き付けたのは、メジャーの新星・20歳のソト。初戦から2戦連続で外角高めの直球を逆方向へ運んだ本塁打を放った時には「ソトのホームランを特集した動画を見たばかりで、全く同じ当たりだったのですごかったです」。侍ジャパンでしか得られない経験が、大きな財産になっている。

 今大会の背番号を選ぶ時には、昨年まで背負ってきた「38」と「8」が提示され、後者を選んだ。「前に戻る必要はないですからね」と岡本。強烈なインパクトを残した一発から、2020年東京五輪4番への道を歩んでいく。(後藤 亮太)

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