【巨人】原石よ、何か一つ抜きん出ろ…原監督、秋季宮崎キャンプに充実感

スポーツ報知
秋季キャンプをひと足早く打ち上げた原監督。笑顔で練習を見つめた(カメラ・中島 傑)

 巨人・原辰徳監督(60)が16日、秋季宮崎キャンプを離れ、帰京した。所用のため、18日の打ち上げよりひと足先にチームを離れる形となった指揮官はキャンプを総括し、全体的に高レベルでまとまった好素材が多く見つかったとした上で「秀でた力、抜きん出るものを持ち合わせること」をオフの課題に与えた。若手主体のキャンプとなったが、自主性に任せる部分、指示を遂行させる部分を使い分け、目指す野球を刷り込んだ秋に「お互い、しっかり観察できた」と手応えをにじませた。

 原監督の顔に、充実感に満ちた笑みが広がった。就任前に決まっていた他の仕事のため、キャンプ打ち上げよりひと足先にこの日、帰京。「選手たちも我々もお互い、しっかり観察できたんじゃないでしょうか。私もよく知ることができた」。新しい首脳陣と選手の相互理解が進んだ貴重な時間を振り返った。

 10月31日のキャンプインから、17日間。現場から3年間離れていた指揮官は、その間に組んだ7度の実戦を通じて若手中心の参加メンバーの把握に努めた。「思っていた以上にいい選手が多い。欠点が少なく、全体的なレベルは非常に高い」。その一方で、「それだけではなかなかプロ野球で、ジャイアンツの1軍で、となるとね。秀でた力、抜きん出るものを持ち合わせることが課題」とした。

 この秋、指揮官はことあるごとに「巨人のレギュラーを張るにはずぬけた力が必要」と言い続けてきた。その言葉をひもといた。「個性だと思いますよ。技術はプロ野球選手の個性。自分たちの長所も知っているでしょうから、長所をうんと伸ばしてほしい」。長打力、スピード、強肩や守備範囲や球際の強さ。投手なら球速や制球力、空振りを奪える決め球だ。

 来季の“ブレイク候補生”は何人もいる。投手では5人の名を挙げた。「高田、桜井、鍬原は(飛躍へ)非常に近い状態でしょう。左の大江も面白い。育成では坂本(工宜)は、目を見張る成長率だった」

 野手は、筆頭にこのキャンプで野手主将を務めた石川を挙げ「陽岱鋼、長野に戦いを挑めるんではないか」とレギュラー陣を脅かす存在に挙げた。「面白い存在では、経験はないけど松原。重信と競争に勝ち残れば1軍でレギュラー(という可能性)も、出てくるでしょう。和田にしても、あれだけの長打力はすごい。安定した形で出てくれば、十分戦える」と期待した。

 それも、戦える状態を整えることが大前提。指揮官は練習開始前の円陣で、オフの間の体調管理の徹底を強く求めた。「野球選手がコンディションをつくれないということは職場放棄だ」。全選手が自覚を持ってこのオフを過ごせなければ、全ては夢物語となる。来季の戦いはここから始まる。(西村 茂展)

巨人

×