【巨人】岡本、松井以来の生え抜きキングへ50発バット完成

スポーツ報知
試作品のバットで感触を確かめながら素振りする岡本(カメラ・相川 和寛)

 巨人の岡本和真内野手(22)が19日、アドバイザリー契約を結ぶアンダーアーマー社のバットが作られる富山県南砺市の「太平BAT製作所」を訪問した。今季使用してきたバットで史上最年少での「3割・30本・100打点」を達成したお礼と、グリップエンドとグリップを数ミリ削り、握りやすさの増した19年型のバットの改良にも着手。その場で試作品を握った時には「いいですね」と笑顔を浮かべ、同製作所の本居(もとい)和幸工場長は「これで来年は50本だね」とエールを送った。

 目の前で作られたばかりのバットを握った瞬間、岡本の表情には野球少年のような笑顔が広がった。自身のバットを製作している太平BAT製作所への、2年連続2度目の訪問。今季、史上最年少で「3割・30本・100打点」を達成した“相棒”が作られる工程を目に焼きつけると、まずは製作に携わる方々へ頭を下げた。

 「いつも理想のバットを作っていただいているので、その感謝の思いと、来年もまたよろしくお願いしますということを伝えたかったので来ました」

 今回の訪問は、史上最年少で侍ジャパンの4番に座った15日の日米野球第6戦(ナゴヤD)で激動のシーズンを終えたばかりの岡本の「真っ先に来たかった」という思いから実現したもの。感謝の思いを直接伝えるとともに、視線はすでに来季にも向けられていた。訪問中には同製作所の本居工場長に19年型バットへの要望を伝えた。メープル素材の材質や、長さ約85センチ、重さ880~890グラムは変えることなく、グリップエンドとグリップ部分を数ミリ削り、握る部分を細くし、握りやすい形にしてほしいと依頼した。

 すると、1本に対して20分かける機械でまずは木材が削られ、最後は研磨機でグリップ部分のみを磨き、19年型の試作品が完成。手にした岡本は「これは、めちゃくちゃいいです。握った感じがいい」と満面の笑み。これには本居工場長も「これで来年は50本だね」とエールを送った。

 ミリ単位のこだわりだが、グリップ部分を細くし、握りやすくしたことで本居工場長は「より(遠くへ)飛ばそうとしているのかな」と推察。グリップを細くすることで、よりヘッドが利きやすくなり、飛距離が生まれる―。来季に向けて、若き大砲は「今年で全く満足はしていないので、来年は今年の数字のはるか上にいけるように」と宣言しているが、今季の33本塁打を上回るアーチを19年型バットで生み出していくつもりだ。

 この日は同地にアンダーアーマー社の担当者とともに約2時間滞在した。「ここに来ることでバット1本1本に対しての思い入れも生まれる。また来年も必ず来たいと思います」と岡本。球団生え抜きでは2002年の松井秀喜以来となる50本塁打&本塁打王へ―。岡本が“新相棒”とともに、ゴジラの系譜を継ぐ。(後藤 亮太)

 ◆由伸前監督も毎年来た 太平BAT製作所では、アンダーアーマー社やSSK社などと契約を結ぶ選手のバットが製作されている。巨人の高橋由伸前監督は現役時代の03年から毎年のように同製作所を訪問し、次シーズンに向けたバットを発注していた。また、ミズノ社と契約を結ぶ選手のバットは岐阜・養老町にあるミズノテクニクスで製作される。

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