【巨人】炭谷銀仁朗、捕手戦国時代を制す「死に物狂いで」入団会見 

スポーツ報知
炭谷(左)は入団会見で背番号27のユニホーム姿を同席した原監督とともに笑顔で披露した(カメラ・池内 雅彦)

 西武から海外FA権を行使し、巨人に移籍した炭谷銀仁朗捕手(31)が26日、都内のホテルで入団会見を行った。年俸1億5000万円の3年契約。背番号は「27」に決定した。炭谷、小林、捕手に復帰した阿部の3人は、いずれもWBC出場&ゴールデン・グラブ(GG)賞の受賞経験がある。超ハイレベルな正捕手争いが幕を開けるが、「死に物狂いでレギュラーをつかむためにやっていきたい」と意気込んだ。

 真新しい巨人のユニホームに袖を通すと、炭谷の表情は自然と引き締まった。巨人の球団カラーであるオレンジのネクタイを着けて、原監督同席のもと臨んだ入団会見。野球人として大きな決断を下したからこそ、口にする言葉には覚悟が詰まっていた。

 「試合に出られる確約は一切ないですけど、新しい環境で勝負したいという思いもあり(FA権を)行使しました。試合に使ってもらえるよう結果を残していかないといけないので、死に物狂いでレギュラーをつかむためにやっていきたい」

 超ハイレベルな正捕手サバイバルが幕を開ける。炭谷、小林、4年ぶりに捕手に復帰する阿部は、いずれもWBCに出場し、GG賞の受賞経験がある。3人で計7度のGG賞という、近年まれにみる高水準での争いとなるが、炭谷は「もちろん競争ですし、僕自身も負けるつもりはありません」と断言した。

 ただ、捕手陣が共闘することでチームを強くしたいという思いも、もちろんある。「誠司もそう(競争に負けないと)思っていると思うし、そうしたことでチームが強くなればいい。阿部さんにも聞くことは山ほどあるので、協力しながらできたら」。ハイレベルな競争の中で高め合い、宇佐見、大城、岸田ら若手には経験を還元する。全ての力をチームの勝利のために注いでいくつもりだ。

 初交渉の席ではサプライズ・メッセージを送った原監督は「FAで銀仁朗の名前があったので、球団の方に真っ先に『炭谷君をジャイアンツの捕手の一員に入れてください』というところが、私の最初の願いでした」と、改めて獲得に至った経緯を明かし、ノルマとして打率2割5分を課した。

 多くの期待を一身に受けた炭谷も「一緒のユニホームを着て戦えることは、本当に光栄でしかないですし、期待を裏切らないように頑張りたい。日本一奪回に向けて、少しでも力になれるように」と意気込む。小学校低学年の時、初めてプロ野球に観戦に訪れた球場は東京ドームで、着ていたのは原監督が現役時代に背負った背番号8のユニホーム。あれから20年近くの時を経て、炭谷が原巨人の扇の要を担う。(後藤 亮太)

 ◆27は名捕手の背番号 熊本工で川上哲治とバッテリーを組み、甲子園で2度の準優勝に輝いた巨人の初代正捕手・吉原正喜が1938年から41年につけた背番号。楠協郎も51年から54年に背負った(54年は拡応に改名)。V9を支えた森昌彦が55年から74年まで背負い、名捕手のイメージを確立。他球団でもヤクルトの大矢明彦(70~85年)、古田敦也(90~07年)、西武の伊東勤(82~03年)、中日の谷繁元信(04~12年)らがつけている。

 ◆炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)1987年7月19日、京都府生まれ。31歳。平安高(現龍谷大平安高)から2005年高校生ドラフト1巡目で西武入団。06年は51年ぶりの高卒新人開幕マスク。堅守強肩を武器に09年から正捕手。18年から日本プロ野球選手会会長。181センチ、95キロ。右投右打。

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