【巨人】Vの使者、丸が来た 4・5億円5年契約「一から勝負したい」

スポーツ報知
ついに巨人・丸が誕生する(写真は合成)

 広島からFA宣言した丸佳浩外野手(29)が30日、巨人入りを表明した。年俸4億5000万円の5年契約(金額は推定)。球団初の2年連続MVPで広島の3連覇に貢献した強打者は「環境を変えて一から勝負する」と宣言。今季の39本塁打&97打点を超える40発&100打点で、巨人を5年ぶりのリーグ制覇へ導く決意を示した。MVP選手がその年オフにFAで国内球団に移籍するのは、99年の工藤公康、06年の小笠原道大以来。両者が加入した巨人はともに翌年優勝しており、V奪回へ最高のパーツが加わった。

 その目に迷いはなかった。広島球団への報告に訪れたマツダスタジアムで、丸は前を向いて移籍を表明した。「一日一日非常に悩みましたけど、ジャイアンツの方でお世話になろうと。環境を変えて一から勝負したいというのが最終的に出てきた」。FA宣言から約3週間。今オフのFA市場の目玉は、争奪戦に名乗りを上げた3球団の中から、覇権奪回に燃える巨人を選んだ。

 巨人入りの理由として挙げたのは、原監督の口説き文句だった。24日に都内で初交渉。同席した指揮官から「ジャイアンツに新しい血を入れてほしい。カープでやってきたいいものを、ジャイアンツに持ち込んでやってもらいたい」と口説かれた。「まだまだ長い野球人生のなかで、絶対にプラスになる」と訴えかけられたことが決め手になったという。「実際にお話しさせていただいて、本当に熱意を感じた」。原監督にはこの日朝に電話をかけて「お世話になります」とあいさつ。「一緒に頑張っていこう!」とエールを送られた。

 家族を大切にする丸がプレーに専念できるよう、さまざまなサポート態勢を約束した巨人の誠意にも心を打たれた。小、中学校時代の同級生でもある里佳夫人とは何度も相談。「家族は、最初から最後まで僕の考えについていく、と言ってくれました」と感謝を口にした。

 広島ではリーグ3連覇を達成しながら、悲願の日本一に届かなかったことが心残り。それでも「野球人として、自分自身レベルアップしていきたい」とさらなる飛躍を求め、移籍を決断した。今季はリーグ2位の39本塁打に同4位の97打点をマークしたが、本塁打の出やすい東京Dが本拠地になれば40発&100打点も視野に入る。MVPを獲得した年のオフにFA移籍した99年の工藤、06年の小笠原はともに1年目にリーグ制覇。球界の盟主への移籍でプレッシャーも予想されるが「幸いにもプラス思考の性格。良い刺激、一つの勉強と捉えたい」と前を向いた。

 来季の開幕カードは3月29日、マツダスタジアムでの広島戦となる。丸は「ここまでやってこれたのも、ファンの声援があったおかげ」と感謝しつつ「来季からは敵になりますけど、今まで応援していただいた分、成長した姿を見せることが恩返しと思っている」と容赦なく戦う決意をにじませた。プロ入りから11年を過ごした広島に別れを告げ、新天地での活躍を誓った。(種村 亮)

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