【巨人】原辰徳監督、新加入丸のクリーンアップ起用を明言

スポーツ報知
丸の入団が決まり笑顔を見せる原監督(カメラ・能登谷 博明)

 巨人・原辰徳監督(60)が30日、東京・大手町の球団事務所で取材に応じ、広島からFA宣言していた丸の加入が正式に決まったことを受け、来季のクリーンアップ起用を明言した。11月24日の初交渉に臨んだ際に、丸のチャレンジ精神を揺さぶって口説き落とした指揮官。中島、ビヤヌエバ、炭谷に次ぐオフの補強第4弾に成功し「それぞれのパーツがそろい、期待、希望、楽しみ、そういう状況になりつつある」と打線の破壊力に手応えを口にした。

 報道陣に囲まれた原監督の表情に、晴れやかな笑みが広がった。「よくぞ、ジャイアンツを選んでいただいたと感謝しております」。5年ぶりV奪回への使者を迎え入れることに、喜びを抑えきれなかった。

 午前10時になろうかという時、携帯電話が鳴った。丸からだ。胸の高鳴りを感じつつ、通話をすると「ジャイアンツでお世話になります」と待望の言葉が耳に飛び込んできた。「もう大歓迎だと。私自身にもジャイアンツにも、ジャイアンツ・ファンにも、とても吉報です」。感謝とともに最大限のサポートを約束した。

 11月24日に原監督が自ら初交渉に臨んだ際には「まだまだ野球人生は半分も終わっていない。新たな世界でまた自分を高める後押しを必ずする」と熱く訴えた。交渉の席で、丸からの質問は練習施設やトレーナーを含めた環境面など、野球への真摯(しんし)な取り組みを感じさせるものばかり。2年連続でリーグMVPを獲得しても、なお謙虚な姿勢に改めてほれ直した。「頑健な体と非常に強い心、練習量を伝え聞いている部分では、野球の歴史上では何本の指に入る人だと思う。ジャイアンツにいい影響を与えてくれる」と期待した。

 起用法はすでに固まっている。「クリーンアップの一角の強い候補」と指揮官は明言。今季はいずれもリーグトップの130四球、出塁率4割6分8厘を誇るだけに、広島時代と同じ3番が有力。4番・岡本とリーグ最強コンビの結成となる。

 「どうしようかと悩んだ状態でオーダーを決めるのか、あるいは希望に満ちて『さぁ!』という形で決められるかという点では、後者のようになりつつある」

 戦力向上は当然だが、加入による化学反応こそ最大の狙いだ。指揮官は既存の選手に「新しい風が入ったことによって、選手たちには『負けてたまるか』という気持ちで丸を歓迎してもらいたい」と競争による相乗効果を求める。一方で丸には「全面的にチームを引っ張っていこうという丸スタイルで、ジャイアンツのユニホームを着てほしい」と遠慮せず、リーダー格としての振る舞いも期待した。

 背番号について大塚副代表編成担当は「8と24を提示させてもらっていて、本人の返答待ちという状況。2つとも球団にとって重い番号」と説明した。原監督が現役時代に背負った8を選べば、伝統の継承者にもなる。「それはもう大歓迎ですよ。谷も、片岡も活躍してくれました。悪い番号ではないと思います」と指揮官。このオフ最大の“恋人”を口説き落とした。覇権奪回へのいばら道。視界が、大きく開けた。(西村 茂展)

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