【巨人】交流戦元年に巨人を相手に1失点完投勝利…初代楽天担当記者が見た岩隈久志

スポーツ報知
05年5月9日付スポーツ報知

 来季から巨人でプレーする前マリナーズ・岩隈久志投手(37)が8日、原監督を「大将」と呼び、相思相愛ぶりを明かした。大阪市内で自身が発起人を務める「いじめ撲滅プロジェクト」のイベントに参加。6日の電撃移籍決定後、初めて公の場に姿を見せ「原監督に直接、言葉を頂いて」と口説き文句にビビッときたことが入団の決め手だと語った。2009年の第2回WBCではともに戦い、世界一を経験。今度は巨人の日本一へ全力を注ぐ。

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 岩隈の巨人入団が1面になった7日付のスポーツ報知を「早速買わせていただきました」とまどか夫人からお礼のメールが来た。岩隈を支えてきたのは間違いなく家族だ。元楽天コーチ・広橋公寿氏の長女・まどかさんと結婚して今月4日に16周年を迎えた。1男2女に恵まれ、かつてはどこか陰があった岩隈が自然な笑顔を見せるようになった。

 セ・パ交流戦初年度の2005年5月8日。創設されたばかりの楽天の初代エースとして、巨人に1失点完投勝利。当時創立71年目の巨人に対して、勝負にならないと見られていた東北の新球団に夢を見させた。この時のウィニングボールは母の日のプレゼントとして、広橋氏の夫人で義母の弘子さんに手渡されると、家族みんなで涙ぐんだ。04年12月の楽天入団表明会見の翌日には、テレビの旅企画とはいえ、広橋夫妻と岩隈夫妻が宮城の混浴温泉で撮影に臨んだこともあった。「勘弁してくれ…」と思うほど、2代にわたる“おしどり”ぶりだった。

 普段はそれほどしゃべるタイプではないが、内に秘めた思いは熱いものがある。この日表明した原監督への忠誠心は、本物だろう。愛する家族の存在も力に変え、東京ドームで勝ちまくってほしい。(05、06年楽天担当キャップ・酒井 隆之)

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