【巨人】原監督、丸佳浩に「要求何一つない」

スポーツ報知
原監督(左)とグータッチする丸

 広島から国内フリーエージェント(FA)権を行使し巨人に移籍した丸佳浩外野手(29)が11日、都内のホテルで入団会見を行った。年俸4億5000万円の5年契約、契約金や出来高などを含む総額25億5000万円(金額は推定)。背番号は原監督が現役時代に背負った「8」に決まった。幼少期から巨人ファンで、東京Dでプレーすることが夢だったという2年連続リーグMVPは「今季の数字以上のものを来季も」と意気込んだ。同席した原監督も「本当の意味で来季へスタートが切れた」と戦力拡大に手応えを明かした。

 口説き落とした“恋人”を迎え入れ、原監督の顔に抑えきれない笑みが広がった。入団会見の冒頭。丸に倣って起立して行ったあいさつにも、喜びがにじんだ。

 「(FA宣言の)スタートラインから獲得できたというゴールまで、ドキドキした時間を過ごした。監督として、本当の意味で来季へのスタートが切れた」

 来季編成における最大の穴が、最高のピースで埋まった。チームには「左の長距離砲が必要」。今季39発を放ったスラッガーは垂ぜんの的だった。しかも今季で2年連続セ・リーグMVPを獲得するなど、脂が乗った状態で加わるだけに「前であるならば松井であったり、高橋由伸であったり。まさにその2人をダブらせる」と球団の象徴的な左の強打者を引き合いに最大級の賛辞を贈った。「しかも彼らに勝っているのは守備力と走力」と守備、走塁面では上回るとも言い切った。

 指揮官が求めるものは一つ。丸でいてくれ。それだけだった。「数字、その他に関して要求することは何一つない。とにかく、いいコンディションで一試合でも多く臨んでもらう。これが私の彼に対する注文です」。コンディションさえ整えてくれれば、結果はついてくる。全幅の信頼を寄せる証しだった。自ら出馬した入団交渉の席で「カープでやってきたものを、巨人に持ち込んでやってもらいたい」と熱く訴えた通り、気負わず、これまで通り等身大のプレーを期待した。

 来季のオーダーを考えるだけでも「非常に楽しみになった」と原監督は言った。すでに丸のクリーンアップ起用を明言しているが「中心選手としてね。年齢的には(坂本)勇人の1つ下になるので、両輪として」と、主将を支える若きリーダー役も期待する。そこに22歳の4番・岡本が加わる打線の破壊力は、リーグ随一だ。1人加わるだけで、夢は無限に膨らむ。

 丸の野球人生は、まだまだ折り返し地点と指揮官はみる。「カープで11年間、頑張ってきて多くのファンに愛されてきた。ジャイアンツファンも必ず君を待望している。ジャイアンツでも11年頑張ろうと言いました」。指揮官の期待通りなら40歳まで巨人を支える。それだけの存在感を発揮する新しい「背番号8」を、原監督は頼もしそうに見つめた。(西村 茂展)

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