【巨人】新守護神候補にマリナーズFAのライアン・クックを調査

スポーツ報知
巨人今オフの主な補強

 巨人が来季の抑え候補として、マリナーズからFAとなったライアン・クック投手(31)を調査していることが15日、分かった。米ネバダ州ラスベガスで現地時間13日(日本時間14日)まで行われたウィンターミーティングを経て、数人の候補の中からリストの最上位に浮上した模様。150キロ超の速球とスライダーなど変化球の組み合わせで、今季は奪三振率12・2を誇った剛腕だ。2012年には球宴にも選出。今季、勝利の方程式崩壊に泣いた巨人にとって、最大の懸案を解消しうる存在だ。

 最大の懸案である抑えを任せられるピースは、実績十分のメジャーリーガーだった。今オフ、FAを含めた積極的な補強を続けてきた巨人が、次は最速150キロ超を誇る救援右腕クックの調査に乗り出したことが判明した。

 クックは今季、マリナーズで19試合に救援登板。2勝1敗5ホールド、防御率5・29の成績だった。右打者には主に速球とスライダー、左打者にはツーシームとチェンジアップを巧みに操る。登板17イニングを大きく上回る23奪三振をマークし、奪三振率12・2と高い数値を誇った。今オフ、球団幹部が「ターゲットは左打者、右打者を苦にしない、抑えもできる速球派」と希望していたイメージに、まさに合致する剛腕だ。

 特にスライダーのキレには定評があり、アスレチックス時代の12年4月27日のオリオールズ戦では、その決め球が捕逸を誘って振り逃げを許した結果、当時メジャー史上61人目となる1イニング4奪三振をマークした逸話も持つ。この年マリナーズとヤンキースに在籍したイチローを5打数0安打に抑え、当時レンジャーズに所属していたダルビッシュも選出された同年のオールスターに名を連ねた実力派だ。

 16年3月に広背筋を痛め、60日間の故障者リスト入り。また同年10月に右肘のじん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた影響で16、17年はメジャーでの登板はなかった。今季はメジャー復帰を果たした。じん帯再建術を受けた投手は、実戦復帰を果たして翌年以降に球速がアップする例も珍しくなく、さらなる球威増にも期待がかかる。

 今季、巨人は開幕から上原、沢村、マシソン、カミネロの勝利の方程式「USA」を形成したが、不調や故障で全員が2軍降格を経験する異常事態に見舞われた。カミネロは今季限りで退団。8月にマシソンが、10月には上原がともに左膝の手術を受けるなど、現状に不透明な部分が残るのも事実。幸い、上原は既に速めのジョギングができるほどに順調な回復を見せているが、クックがチームに加われば救援陣に大きな柱ができる。

 このオフはセンターラインの補強に着手し、FAで広島から丸、西武から炭谷を獲得。さらに今季メジャー20発の大砲ビヤヌエバ、右の切り札役もこなせる前オリックスの中島に、先発候補の前マリナーズ岩隈と、的確にウィークポイントを埋め続けている。残る補強点は、山口オーナーも明言するクローザー。クックを獲得候補リストの最上位に据え、慎重に調査を進めていく。

 ◆ライアン・クック(RYAN・COOK)1987年6月30日、米カリフォルニア州フレズノ生まれ。31歳。南カリフォルニア大からDバックスの27巡目(全体828位)でプロ入り。2011年にメジャー昇格し、同年オフにアスレチックス移籍。12年は初戦から22試合連続無失点をマーク、オールスター戦にも選出。将来を嘱望されたが、その後、故障もあって低迷。今季5月17日にメジャーに3年ぶりに復帰した。188センチ、98キロ。右投右打。

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