【巨人】6・5億の菅野、2年連続2億増は史上初 球界発展へ「もっと上に」

スポーツ報知
2億円アップの6億5000万円でサインした菅野。来季の目標として「二十勝」と書き込んだ色紙を披露した(カメラ・橋口 真)

 巨人の菅野智之投手(29)が17日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2億円アップの年俸6億5000万円(金額は推定)でサインした。球団史上最高だった松井秀喜の6億1000万円を超え、佐々木主浩(横浜)に並んでNPBの日本人史上最高年俸。絶対エースは「将来的に10億円もらう選手がいてもおかしくない」とし、2020年東京五輪、その先の野球界発展のため、前人未到の夢の領域を目指す決意を示した。

 常に上を目指す菅野らしい反応だった。日本人最高年俸の6億5000万円でサイン。タイトル総なめの活躍にふさわしい高評価となったが、2億円増を喜ぶというより、表情を引き締めて今後を見据えた。

 「満足は何一つしていませんし、もっとできるという思いも自信もあります。そういうものを自分の中でなくしてしまったら、伸びしろを失ってしまうんじゃないかと思うので」

 6年目の今季は15勝8敗、202イニング、防御率2・14、200奪三振。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振で投手3冠を達成した。10完投8完封、選考基準全項目クリアで2年連続沢村賞、CS史上初ノーヒットノーラン、41イニング連続無失点…。数々の記録的な快投で球史に名を刻んでも向上心は尽きない。菅野は前人未到の領域に目を向けた。

 「もっと上にいきたいなと。さらに目標が高くなりました。将来的に(NPBで)10億円もらう選手がいてもおかしくないと思いますし、これから東京オリンピックに向けて野球界を盛り上げていかないといけない。盛り上がっていけば、そういう選手が出てもおかしくないな、と思うので」

 13年オフ、年俸6億円で契約更改した阿部は当時、「日本のプロ野球でも1人ぐらい10億、20億もらっている人がいてもいい」と10億円を目標に掲げた。NPBで誰も届いたことのない夢の数字。現在、最も近い位置に立ったのが菅野だ。

 「小さい頃、そういうもの(選手)を目にしたら野球選手になりたいなと思う人も増えてくるのかなと。もちろんお金だけじゃないと思いますが、そういう立場にありがたくいられるので、何とかそういうものを目指して頑張りたいです」

 普段から野球人口減少、野球人気の低迷に危機感を抱き、球界発展を真剣に考えている。NPB全体として、チームが強くなり、収益が増え、高年俸の超一流選手が多く出れば、子どもたちも憧れや夢を持つだろう。菅野は第一人者としてもっと進化する覚悟だ。

 「来年は20勝で沢村賞の項目を全部クリアすることが目標です。チームは優勝から4年間遠ざかっているので、中心選手として先頭に立って、マウンドでしっかり仕事をしたいです」

 異次元の成績を残し続ける日本のエース。飽くなき挑戦が未来の野球界のためにもなる。(片岡 優帆)

 ◆巨人投手初 87年に落合博満(中=1億3000万円)、東尾修(西=1億円)が日本人で初めて1億円を突破して以降、その年の年俸で球界最高額となった巨人選手は、94~96年落合(内野手)、97年清原和博(内)、01、02年松井(外)、13~15年阿部(捕)に次いで5人目。投手では菅野が初めて。

 ▼…今季の年俸は17年の2億3000万円から、2億2000万円の増額。2年連続で2億円以上増えたことになる。年俸が2億円以上アップした選手は10人(11度)いるが、2度は菅野だけ。

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