【巨人】ドラ1・高橋優貴が始動「新人で一番いい成績を残して、新人王をとる」

スポーツ報知
旧友と笑顔で牛丼を食べる高橋(中央)

 巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(21)=八戸学院大=が2日、茨城・笠間市内のグラウンドで始動。今年の理想像を漢字1文字で「一」と掲げた。「ルーキーの中で一番いい成績を残し、新人王をとる。日本一がチーム目標だと思うので、一番に貢献したい」と抱負。新人で2ケタ勝利を挙げれば、13年の菅野以来6年ぶりとなるが、「やるしかない」と即戦力としての責任と自覚を口にした。

 新春の晴天の下で、高橋の笑顔が輝いた。中学時代に所属していた友部シニアのグラウンドで始動。年始めには毎年訪れる地でランニング、キャッチボールと約1時間、汗を流した。「いつもと違った年の始まり。憧れていた場所に立てるということで、いつも以上に気合が入っています」と戦闘モードに入った。

 今年は「一」にこだわる。報道陣から「1年目を終えた自分を思い描いて」とリクエストされ、色紙にペンで何度も重ね書きし、「一」という漢字を披露した。「新人で一番いい成績を残して、新人王をとる。一番にならないと優勝はないし、日本一がチーム目標だと思うので、一番に貢献したい」と強い決意を口にした。

 最速152キロの直球とスクリューボールが武器で、奪三振率の高さが高橋のセールスポイント。昨年は内海が炭谷の人的補償で西武へ移籍し、杉内や山口鉄が引退するなど本格派左腕が相次いでチームを去った。

 「聞いてみたいこともあったので残念ですけど、野球人としてはチャンス。そのポジションに入れるように」。今季の先発ローテは実績のある田口、今村や期待の高卒3年目・大江らサウスポーが生存競争を繰り広げる。チームではエース左腕の台頭が待望されており、まずはその座を奪いにいく。ローテを守れば、おのずと目標の10勝、新人王も近づいてくる。

 元巨人投手の恩師、原田明広監督(52)も「巨人のドラ1は追われる立場。まずそれに慣れないと。体さえつくって焦らなければ、そこそこやれるんじゃないかと思ってます」と同シニア初のプロ野球選手に太鼓判を押した。

 「厳しい世界。今のままでは通用しない。常に挑戦する気持ちを持ってやる。勝負できるように頑張りたい」と高橋。原点の地で、夢への第一歩を踏み出した。(河原崎 功治)

 ◆高橋 優貴(たかはし・ゆうき)1997年2月1日、茨城・ひたちなか市生まれ。21歳。田彦小3年時に勝田スポーツ少年団で野球を始める。田彦中では友部シニアで投手としてプレー。東京・東海大菅生高では1年夏からベンチ入り、3年夏には西東京大会準優勝も甲子園出場はなし。北東北大学リーグ・八戸学院大では通算20勝12敗、防御率2・05。通算301奪三振はリーグ最多。178センチ、82キロ。左投左打。家族は両親と弟。

 〇…この日、高橋が持参した新しいグラブには、家族のイニシャルである「k.k.s」の刺しゅうが施されていた。父・幸司さん、母・佳子さん、弟・俊士(すぐる)君の頭文字だ。「何を入れようか悩みましたけど、同級生に相談して決めました。いつも支えられて感謝しているので。勝つことが一番の恩返し」と高橋。マウンドでも家族とともに戦い、まずは悲願の初勝利を狙う。

 ◇巨人の主なレジェンド左腕

 ▽中尾碩志 39年入団。48年に27勝で最多勝。通算209勝で野球殿堂入り。

 ▽高橋一三 65年入団。69年に22勝で最多勝、沢村賞。73年も23勝、24完投で沢村賞。通算167勝。

 ▽宮本和知 84年ドラフト3位で入団。90年に14勝を挙げるなど通算66勝。

 ▽高橋尚成 99年ドラフト1位。1年目の00年に9勝、日本シリーズ初登板初完封。MLBでも活躍。

 ▽内海哲也 03年自由獲得枠で入団。06年から9年連続規定投球回。2年連続最多勝など通算133勝。

 ▽山口鉄也 05年育成1巡目。前人未到9年連続60登板など通算642登板。

巨人

×