【巨人】“最強の2番”坂本「楽しみ」 メジャーで主流、原監督夢プランに前向き

スポーツ報知
笑顔で合同自主トレに出発した(左から)北村、吉川大、坂本勇(カメラ・後藤 亮太)

 巨人の坂本勇人内野手(30)が5日、“最強の2番”へ意欲を示した。この日、吉川大、北村と自主トレ先の沖縄へと出発した主将は、原監督がスポーツ報知元日付インタビューで描いた初夢オーダープランで「2番に勇人であったり、丸を置けたら、どういう打線になるかなと。初夢的で非常に楽しみな部分」と発言したことに反応。「2番? もしやることになったら楽しみな部分もあります」と、プロ通算12年間で33試合しかスタメンで経験のない打順への思いを明かした。

 報道陣からの質問に、坂本勇は少しだけ考えたのちに、素直な思いを口にした。原監督が初夢オーダープランとして2番に坂本勇や丸ら強打者を据える構想を持っていることを伝え聞くと、「2番? もしやることになったら楽しみな部分もあります」と笑みを浮かべた。

 レギュラー定着後、主に起用されてきたのは1、3番。2番でのスタメンは08年の24試合が最多で、11年に4試合、13、17年に2試合、18年の1試合とわずか33試合のみ。計129打数23安打、打率1割7分8厘、1本塁打といい数字ではないが、勇人は「ここ最近はメジャーでも2番にすごくいい打者が入ったりしているので、昔のバントやつなぎだけではなく、イメージはすごく変わってきているのかな」と前向きだ。メジャーでは「2番最強打者説」が主流なだけに、昨季キャリアハイの打率3割4分5厘をマークした好打者が座る打順としては適切とも言える。

 15年の侍ジャパンの一員として戦った野球の国際大会「プレミア12」では、15年シーズンの走者一塁時に打率3割5分4厘とハイアベレージを残したことを理由に、超攻撃野球を掲げる小久保ジャパンの象徴として2番で起用された。

 3位決定戦までの計8試合中7試合で2番に座り、初戦の韓国戦(札幌D)で大会1号本塁打を放つなど、計3戦で複数安打を記録。原監督は初回無死一塁なら犠打ではなく、ヒッティングで「2点を取りにいく」と話しているだけに、昨季4だった併殺打の少なさもその適性を示す材料となる。

 “最強の2番”となるために、まずはシーズンを戦い抜く体を仕上げる。この日は約2週間半自主トレを行う沖縄へ、吉川大、北村とともに出発した。昨季は左脇腹肉離れで1か月の戦線離脱を経験しただけに「体を強くするだけではダメだし、柔軟性であったり、体の向き合い方もいろいろと考えないといけないなと思わせるシーズンだった。まずはけがをしない体づくりをしていく」と気を引き締めた。

 すでに今季の目標には打率3割3分以上、25本塁打を掲げている。「2番・坂本勇人」によって、3番・丸、4番・岡本とつながる打線が形成されれば、確実に相手にとっては脅威となるはずだ。(後藤 亮太)

 ◆原政権下の2番打者 初めて指揮を執った02年は、二岡智宏が2番で87試合に出場、21本塁打で優勝&日本一に貢献した。巨人の2番で20本塁打以上打ったのは二岡だけ。前年4位からの再建に取り組んだ07年は、新加入の谷佳知を109試合で2番に起用。3割2分6厘で優勝に貢献した。昨季の巨人は9人が2番に座り、最多は吉川尚の66試合。丸は広島時代の13年に2番で30試合、打率3割4分8厘、15年には18試合で3割3分3厘を記録し、16年以降は3番打者に完全に定着した。

 ◆最強2番

 MLBでは昨季、30球団でわずか823犠打(総試合数が約3分の1のNPBは1117犠打)と送りバントが年々減少し、2番打者はつなぎではなく、脚力も期待できる強打の選手がズラリと並ぶ。

 大谷翔平所属のエンゼルスではMVP2度のトラウト。ヤンキースでは一昨年、本塁打王&新人王になったジャッジ。また、昨季ナ・リーグMVPとなったブルワーズのイエリチ、一昨年の首位打者&MVP、アストロズのアルテューベと強打者が目白押し。初回からビッグイニングを目指すメジャーでは、パワーだけの4番打者以上に2番打者への期待度は大きい。

 NPBでもその流れはできつつあり、セでは昨季ヤクルトの青木が86試合で打率3割4分7厘、DeNA・ソトは48試合で20本塁打を記録。パでは日本ハム・大田が78試合で11本塁打を放った。

巨人

×