【巨人】本物の逸材・長野 AJがメジャーが由伸が認めた だからコイに選ばれた 担当記者が見た

スポーツ報知
2016年4月14日ヤクルト戦で通算100号を放った長野

 ちょっと前までは余裕たっぷりの謙遜に聞こえていた「俺なんか記事にしなくていいから」「誰も興味なんかないから、そっとしておいて」という言葉が、正直に言うと、ここ何年かは自虐に聞こえていた。生え抜きのスター選手とはいえ、28人のプロテクトから漏れていた事実は、長野も受け止めていることだろう。

 ただ、見る人が見れば、やはり超一流の選手だったらしい。昨年末に行われたDeNA・ラミレス監督主催のチャリティーオークション。長野もバットを提供していたのだが、ウン十万円を投入して落札したのは、まさかの人物だった。「AJが『コレクションに追加したいから』って。先に言ってくれれば渡したのに…。でもうれしいですよね」。長野のバットをゲットしたのは、楽天でもプレーしたメジャー通算434発のスーパースター、AJことアンドリュー・ジョーンズ氏(41)だったという。

 アマチュア時代から日本代表の常連だった長野。国際舞台では、敵チームの監督、コーチ陣から誘いを受けることもしばしばあったようで、レッドソックスのコーチからは「うちで一緒にやろう。一緒にアメリカに帰ろう」と熱心に口説かれたそうだ。

 海外FA権を取得して以降、試合前練習中のスタンドに観光客らしき外国人を見つけると「俺の獲得調査に来たのかなあ?」というお決まりのギャグがあったのだが、かつてはメジャーも熱視線の逸材だったことは確かだ。

 巨人入団後も、あの天才・高橋由伸(前監督)に「お前が入って来て『こいつにはポジションを奪われるかもしれないな』と初めて思ったよ」と言わせたというから、やはり本物だったのだろう。だから、王者・広島にも選ばれた。放出した巨人を後悔させてほしい、とまでは言わないが、どう考えてもウソくさい、あの謙遜をもう一度聞きたい。(巨人担当・尾形 圭亮)

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