【巨人】原教授のFA計算式…炭谷+丸-内海-長野=プラスに変えろ!「若い選手チャンス」

スポーツ報知
国際武道大で講義を行った原監督は学生のリクエストに応えて笑顔でグータッチ(カメラ・相川 和寛)

 巨人・原辰徳監督(60)が8日、若手選手にFAの人的補償選手として移籍した内海、長野の穴を埋める競争を求めた。この日、客員教授を務める千葉・勝浦市内の国際武道大で、15年連続となる講義を行った。その中で、投打の精神的支柱が流出したことに触れ「いい方向で考えれば、若い選手たちにチャンスが生まれたということ」と、サバイバル激化へ糧とした。大きな痛手を若手の成長に変え、チーム全体の底上げを図る。

 原監督が約400人の受講者に向けた言葉は、自らに言い聞かせているようだった。インタビュアーからこのオフのFA戦線について問われた。丸、炭谷を獲得したが、人的補償選手として西武に内海、広島に長野が移った。

 「勝負の世界は足し算ばかりではなく、引き算もある。今回の足し算は丸、炭谷。しかし、引き算として長野、内海がいなくなった。ルール上、仕方がない。トータルでプラスなのか、マイナスなのか。その中でどういう結果を残すかが勝負」

 時に吹く強い向かい風も、チームを前進させる活力にする。「毒をも栄養とせよ」と父・貢氏(故人)から受け継いだ原監督の人生観そのもの。講義終了後、現在の素直な胸の内を明かした。

 「いい方向で考えれば、若い選手たちにチャンスが生まれたということ。そこはチームとしては大いに活気が出る。レギュラーを狙う選手たちは(意気)揚々としてほしい」

 内海と長野。ともに他球団からの指名を拒否し、巨人愛を貫いて入団した生え抜きであり、原監督にとっても、06年から10年間指揮を執った第2次政権下で主力を担った教え子だ。「2人とも長きにわたって共に戦ってきた同志。そういう中で一抹の寂しさはある。しかし、勝負師として(野球をすること)は全く変わらないということが、お互いが思うところでは」

 2人には移籍決定後、連絡を受け、エールを送った。「自分の中で非常に難しく、プロテクトはできなかった。しかし(相手の)球団が、君たちを評価してくれたのは素晴らしいこと。頑張ってくれ」。相手に望まれて移籍することをモチベーションにしてほしいと願った。

 特に期待する若手選手を問われ「ここであえて名前を挙げる必要はないような気がするね」。個人名を避けたのも、全ての選手にチャンスがあり、期待しているからだ。「特にジャイアンツにとっては大きな役割が空いたわけだから。それは揚々と立ち向かってほしい」。埋めるべき穴は大きいが、若手の切磋琢磨(せっさたくま)は全体の底上げにつながる。それもまた新たな“足し算”となる。覚悟をもって、チームを前に進めていく。(西村 茂展)

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