【ALL巨人】若手記者がジャイアンツ寮に潜入! 「サウナにびっくり、入寮したくなる」 

スポーツ報知
ジャイアンツ寮を取材する(左から)小林、河原崎記者

 今週の「ALL巨人」は若手選手が暮らすジャイアンツ寮を特集する。91年に完成した神奈川・川崎市内のジャイアンツ寮。2軍の本拠地・ジャイアンツ球場からは車で5分ほどの場所にある。松井秀喜氏ら大先輩も生活した伝統のつまった寮内を、入社2年目で今年から新たに巨人担当になった河原崎功治、小林圭太記者が潜入取材した。

 《1》ラウンジ(休憩スペース)

 玄関を入ってすぐ目に入ってくるスペース。大きなソファがいくつも並び、くつろいだりリラックスできるエリアだ。テレビや月刊ジャイアンツなどの雑誌、新聞各紙が置いてある。後方の棚には、OBの吉村禎章現打撃総合コーチが現役時代、左膝十字じん帯損傷から復活した際につけたギプスなど、逸品が多く展示されている。ケガをして長期間プレーできなかった選手が復活して活躍したということを、若い選手たちにも知ってもらいたいという意図が込められている。

 《2》ミーティング室

 机と椅子が並び、選手たちの話し合いの場に使用される部屋。新人の研修でも使用される。ファンの方からの推薦や選手から要望があった書籍が、後方にある本棚に単行本から雑誌まで約100冊が置かれていて、いつでも部屋にレンタルして読むことが可能。元野球選手や、球団OBの著書も多く用意されている。

 《3》洗濯室

 洗濯機12台、乾燥機12台が用意されている部屋が2部屋ある。ユニホーム類やスーツなど、グラウンドや移動の際に着用するものはクリーニングに出すが、私服や各自の洗濯物は自分たちで洗濯する。これだけ充実していれば、洗濯待ちになる心配もなく、快適に過ごすことができそうだ。

 《4》食堂

 サラダバーが常備されているなど、栄養士が考えたバランスの良い食事が提供されていて味も好評。大型テレビも置いてあり、食事を取りながらナイターの試合を見る選手が多い。1軍選手が東京D、横浜、神宮でナイターの日は帰寮が深夜になることが多いが、トレーニングや体のケアの後など夜遅くでもいつでも食事が取れるように夜食も用意されている。

 《5》浴室

 練習や試合の疲れを取れるように配慮された広大な浴槽が印象的だった。疲労回復のために温冷交代浴を導入する選手が多いこともあり、サウナ室、水風呂も設置されている。若手はここでともに汗を流しながら、その日の試合の反省など野球談議に花を咲かせているという。清掃時間を除いてほぼ24時間入浴可能。

 《6》トレーニング室

 ベンチプレスをはじめ、エアロバイクやダンベルなど、豊富な器具がズラリ。体幹やストレッチをするスペースもしっかり設けられていた。24時間いつでも使用可能で、1軍の試合をテレビで観戦した後、チームメートの活躍に刺激され、この部屋に直行する選手も多いそうだ。トレーニング中に音楽を流すため、室内にはプレーヤーが設置されており、CDが山積みになっていた。

 《7》地下練習場・プール

 1階から階段を下り、地下へ行くと、そこには20メートルプールがあった。2レーンあり、1年通して温水を保っている。リハビリ時に使用する選手が多く、寮生以外にも人気。1軍で活躍する選手も含め、G球場での練習後に立ち寄ってプールトレを行う選手も多いという。地下にはもう一つの“秘密基地”が。G球場にあるようなバッティングケージがあった。打撃マシンの球をいつでも打つことが可能で、ここで夜間練習を行う選手が多い。バットや打撃用の手袋がところ狭しと並べられていた。

 《8》松井部屋

 巨人OBの松井秀喜氏が寮生だった時代に素振りを繰り返し、畳がすり切れた部屋。ルーキーが入寮の日や施設見学の日に必ず見学する部屋だ。松井氏は自分の部屋とは別のこの部屋での素振りを日課としていて、あまりにも早く畳がすり切れるため取り換えが追いつかなかったともいわれている。若手選手はこの“遺跡”を目に焼きつけて、猛練習に取り組んでいる。

 河原崎(以下河)「すごい寮だったね」

 小林(以下小)「地下1階、地上4階の大きさに驚いたな。一番感動したのはギプスとか展示されてたこと。『けがしても復活して成功した選手がいる。お前らがけがしてもそうなれ』ってメッセージが込められてるのは説得力を感じた。選手には響くだろうね」

 河「ビックリしたのは浴室。広々してるんだろうなとは思ってたけど、まさかサウナまで完備されてるとは思わなかった」

 小「サウナ好きの河原崎にはたまらないんじゃない?(笑い)」

 河「毎日サウナに入れるなんて夢のよう。お風呂好きにはたまらないね」

 小「夜食が準備されているのは素晴らしい配慮だよね」

 河「何をどのタイミングで摂取するべきか、栄養のことが書かれた紙も食に貼ってあった。自然と目に入るし、選手も意識するようになるんじゃないかな」

 小「プールに練習場まであったし、野球に専念するには最高の環境だね。自分もジャイアンツ寮に入寮したくなっちゃったよ」

 ◆ジャイアンツ寮の歴史

 ▽1940年 神奈川・川崎市中原区の丸子橋近くに多摩川寮が完成。川上、吉原ら若手選手が入寮

 ▽54年 武宮敏明氏が寮長に就任。「鬼寮長」と呼ばれながら計29年間、若手選手の生活面を指導する

 ▽67年 神奈川・川崎市多摩区に寮を移転

 ▽91年 同所に地上4階、地下1階の現在の寮が完成

 ▽2013年 大規模修繕工事が行われる

 ◆河原崎 功治(かわはらさき・こうじ)1994年4月25日、茨城・つくば市生まれ。24歳。日大から17年入社。レイアウト担当を経て今年から巨人担当。小学校から大学までバスケットボールに熱中。中学時には県選抜として韓国遠征を経験。日大では学生新聞作成に携わり、アマチュアスポーツを追いかけた。

 ◆小林 圭太(こばやし・けいた)1993年4月3日、愛知・蒲郡市生まれ。25歳。明大から17年入社。18年は西武担当としてリーグ優勝を経験。今年から巨人担当。実家はボートレース蒲郡から徒歩3分。明大では男子チアリーディングチーム「ANCHORS(アンカーズ)」を設立してハワイなどで演技。某新聞社の最終面で大きく取り上げられた。

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