【巨人】原辰徳監督、勝利至上主義「戦う軍に」 各部門コーチは“決意表明”

スポーツ報知
スタッフ会議の席につき真剣な表情を見せる原監督(中)(左は高田2軍監督、右は井上3軍監督=カメラ・中島 傑)

 巨人は18日、都内のホテルでスタッフ会議を行った。山口オーナーらも出席する中、原辰徳監督(60)は全スタッフに「勝利至上主義」を強く訴えた。コーチ陣からは昨季の反省を踏まえ、5年ぶりリーグ制覇、7年ぶり日本一への「覇権奪回5か条」も明示された。「フロント、現場も同じ考えを持ち、同じ目標をシーズン最後の最後まで持ち続ける」と、指揮官は一丸となって荒波へと船をこぎ出す。

 全巨人軍の意思を統一した。原監督は、山口オーナーをはじめとしたフロント幹部、全コーチを前に熱く訴えた。会議後の会見でも、指揮官の言葉は熱を帯びたままだった。

 「緊張感のある中、19年がスタートする。この組織で我々は役割をもって、大きな目標へ向かっていく」

 目標はただ一つ。勝つことだけだ。5年ぶりのリーグ制覇、そして7年ぶりの日本一へ。足りない部分はどこだったのか。原監督は「反省と対策は重要」と言い、各部門コーチ陣は5つの提案を出した。

 〈1〉ホームで大幅貯金を 広島は昨季、本拠マツダで44勝24敗2分け、20もの貯金を作った。一方で、巨人は東京Dで30勝33敗1分けで史上3度目の本拠負け越し。吉村打撃総合コーチは「カープがマツダであれだけの貯金をした。明らかに差に出ている。有利に戦える状況で(貯金を)作れていないと優勝に届くはずがない」。

 〈2〉勝負強さを磨け 昨季、1点差は36試合で12勝24敗と僅差で競り負ける展開が続いた。チーム打率や本塁打数などは17年から18年にかけて向上したが、それでも優勝には届かず。吉村コーチは「試合を決める1点。最終的には(チーム打率などの)数字よりも勝つ中での(1点)、という部分を一番重点に置きたい」。

 〈3〉救援陣の負け数半減 昨季、チーム防御率3・79はリーグ1位だが、リリーフの防御率に限ると4・12で、リーグ5位に。勝利の方程式を固定しきれず、救援陣で喫した負け数は20に上った。宮本投手総合コーチは「リリーフ陣だけで20敗は多すぎる。せめて半分にしないと。それを勝ちにもっていければ優勝ラインは見えてくる」。

 〈4〉先発陣の100投球回超え5人 昨季、1年間ローテを守り抜いたのは菅野だけ。投球回数は菅野が202、山口が154で規定投球回に達したが、宮本コーチは「菅野が1人で数字を良くしてくれている。100イニング投げる投手が5人いてくれたら」。

 〈5〉走塁の意識改革 昨季のチーム盗塁数は中日と並んでリーグ最少の61。トップの広島とは34の差が開いた。鈴木外野守備走塁コーチは技術も求められる盗塁そのものより、一塁から一挙に三塁を陥れるなど、次の塁を奪う意識で補う重要性を説いた。「広島は次の塁という意識が高い。足の速い、遅いにかかわらず、そういう共通認識をもって、数字に表れないところも高めていきたい」

 覇権奪回へ最大のライバルは当然、3連覇中の広島になる。原監督は「相手を見るというより、自分のチームをどうやって戦う軍にするか。これがまず私の一番の大きな作業」と説明。この5か条がクリアされれば、必ず大願は成就する。(西村 茂展)

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