【巨人】岡本“稀勢の心” 2・3紅白戦出る「まだ実績のない若手。絶対に出たい」

スポーツ報知
自主トレを公開、たくましさが増したボディーで力強いスイングをみせた岡本(カメラ・橋口 真)

 巨人の岡本和真内野手(22)が18日、チームメートの山本、岸田、和田と慶大で行っている自主トレを公開した。4メートルの逆風が吹く中、フリー打撃では49スイングで推定125メートル弾を披露。故障を抱えながら奮闘し、現役を引退した横綱・稀勢の里の“魂”を継承し、全試合4番で君臨し続けるために、2月3日に行われる紅白戦に「絶対に出たい。けっこう楽しみにしています」と出場志願した。

 岡本のフルスイングから放たれた打球は、吹き荒れる逆風などモノともしなかった。フリー打撃で49スイングし、左中間の防球ネットの中段を直撃する最長125メートル弾を含む3発のサク越え。右翼後方の高さ15メートルの「由伸ネット」(巨人前監督)、左翼後方の高さ最大20メートルの「岩見ネット」(現楽天)の慶大OBネットは越えなかったが「形関係なくしっかり振れるように、しっかり飛ばせるようにだけを考えました。もっと振れるようにしたい」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。

 この日は気温10度、寒風の吹く慶大グラウンドで山本らと自主トレを行った。午前には室内で下半身中心のウェートトレに励み、午後はグラウンドに米カブスの青色の帽子をかぶって、「東京ドームホテルの近くのお店で買いました」と笑顔で登場。フリー打撃のほかに、ランニング、キャッチボール、三塁の位置でのノックを受けた後、ティー打撃を83スイング行った。

 先日、横綱・稀勢の里が引退。小学生の頃から奈良の実家のテレビで大相撲をよく見ていたといい、「横綱になる前に金星ばかり挙げていて、この人すごいなと思っていた。ここ一番ですごく強かった気がします」と尊敬する一人。同じように勝ち続けることの難しさ、打ち続けることの難しさを実感し「ケガしながらでも、多少はやらないとやっぱりレギュラーっていうのは取れない」と強い覚悟を決めた。昨季は全試合出場を果たし、打率3割9厘、33本塁打、100打点と史上最年少での3割30本100打点を達成。今季は「3割、40本、120打点」を目標とし、過去に球団では中島治康、川上哲治、松井秀喜、ラミレスの4人(8度)だけが成し遂げた「全試合4番」を目指す。

 原監督は今季も岡本に4番を託す方針を示している。2番、もしくは3番で岡本の前を打つ可能性が高い丸が新加入し「選球眼がすごい。どういう待ち方をしてるのか聞きたい」と技術向上に意欲的。広島に移籍した長野へは「1年目に一緒に自主トレもさせてもらった。さみしいけど、僕も頑張って同じ球場で会えるように」と決戦を約束した。

 春季キャンプの2月3日には「1軍スタートの若手VSファームの若手」の紅白戦実施が決定。レギュラー争いを繰り広げる若手が中心のため、今季4番に“内定”している岡本の出場は不透明だが、「まだ僕は実績のない若手。絶対に出たい。楽しみにしています」と参戦に名乗りを上げた。

 「失敗を恐れずにプレーしていきたい」と岡本。球界の“横綱”として君臨し続けるべく、最高のアピールを続けていく。(小林 圭太)

 ◆例年の岡本のこの時期の動き

 ▼15年(1年目) 1月4日に母校の奈良・智弁学園で自主トレを公開。気温、氷点下2度の極寒の中、ティー打撃、キャッチボールなどで約3時間、汗を流した。1月8日からは新人合同自主トレに参加し、同12日には新人合同自主トレ初のマシン打撃を行い、タイミングが合わず苦戦した。

 ▼16年(2年目) 1月5日から約2週間、坂本、長野、村田、実松、和田とともに米グアムでプロ初の自主トレを行った。三塁を争う村田は「はい、どうぞ、とサードを渡す気はない」と火花を散らして猛練習。坂本から守備、打撃の基本を教わった。

 ▼17年(3年目) 地元の奈良に帰り原点回帰。母校の智弁学園のグラウンドを拠点に、単独でバットを振り込んだ。

 ▼18年(4年目) 慶大で山本と自主トレ。右翼後方にそびえる高さ15メートルの「由伸ネット」越えとはならなかったが、右足重心やスタンス幅を微調整し飛距離アップに乗り出した。

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