【巨人】菅野、右打者の内角高めガンガン攻める!ハワイで新たな挑戦決意

スポーツ報知
ハワイで行われた自主トレで、気合の入った表情でキャッチボールをする菅野(カメラ・相川 和寛)

 【ホノルル(米ハワイ州)18日(日本時間19日)=ペン・片岡優帆、カメラ・相川和寛】巨人の菅野智之投手(29)が、頭脳も進化させた。現地で練習以外の時間にデータなど野球を猛勉強。昨季は右打者内角高めへの投球が少なかったと分析し「右打者のインハイで勝負したい。今までにない自分を出していきたい」と決意した。過去最高の仕上がりの体調に加え、相手の研究を上回る対策も万全で、目標の20勝へ突き進む。

 南国で時間を有意義に使っていた。菅野は12月からハワイで常に野球のことを考えて生活。2年連続沢村賞に輝いた昨年の投球内容をじっくり見つめ直した。

 「去年は右打者のインハイ(内角高め)が少なかったので、高めで勝負できるようにしたい。そうすると、もうちょっと低めの変化球も生きてくるのかなと」

 着目したのは昨季のコース別の投球割合。右打者の外角への投球が61・7%だったのに対し、内角には15・7%、特に高めが極端に少なかった(本紙調べでは対右の全投球の4・7%)。菅野に限らず、右投手は制球ミスすれば死球もあり、高度な技術を要する右打者の内角高めをバンバン攻める投手は少ない。エースは今、それに挑もうとしている。

 「高めって打つのが難しい。『うわっ菅野ここ(内角高め)に投げるのか、ここは打てない、手を出さないようにしよう』と(打者が)なれば(内角は)厳しくというよりボール1個分甘めでいいやとなる。(打者が内角を捨てて)外角の球にコンタクトしよう、となれば、外角のスライダーを追いかけると思うので」

 内角攻めが楽になり、外角のボール球を振らせる確率も上がる。圧倒的な投球の幅がさらに広がりそうだ。菅野は「インハイでのけぞらせるから強気、じゃない」とした上でこう続けた。

 「ケンカ投法じゃないですけど、バッと高めにいって、今までにない自分を出していきたい。これまでの形も残しつつ勝負できたら相手も戸惑うと思うし、抑えられると思うので」

 対左打者に関してはすでに多くの引き出しがあり、球の精度を上げることを心掛けるという。今回のハワイ自主トレは午前中に練習し、午後は滞在先で野球の勉強。他球団は菅野攻略のための相当な研究が予想されるが、菅野も各打者の傾向を含め、相手の対策を上回る準備を進めている。

 「ある程度、向こうも(自分のことを)知っている。だから今までにない自分を出していきたいなと。高めでという、今までになかったところなので」

 この日は青空の下で、キャッチボール、シャトルラン、体幹トレと充実の練習を消化した。体調は過去最高の仕上がりで、頭脳も進化。新たな投球スタイルも加えた正統派の真っ向勝負で、目標の20勝、3年連続沢村賞に挑戦する。

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