【巨人】菅野、力感ゼロで球数も蓄積疲労も減…すごさを担当記者が見た

スポーツ報知
成田空港に到着しポーズを見せる(左から)桜井、宮国、菅野、中川

 巨人の菅野智之投手(29)が21日、自主トレ先の米ハワイから帰国した。現地では、見た目は力が入っていないように見えて、キレのある速球を投げ込むという、究極の「力感ゼロ投法」を追求。キャッチボールで手応えをつかみ、いつでもブルペン入りできる状態に仕上がった。力みがなくなることで、どんな効果が期待できるのか。担当の片岡優帆記者が球数減など、さらなる進化の可能性を「見た」。

 ハワイ自主トレを取材して、菅野のキャッチボールを間近で見た。大げさでなく、左足を上げてから体重移動する間は脱力していて、とても剛速球を投げるようなフォームには見えなかった。それなのに、投げる球はものすごい威力だった。

 力感なく投げることで、精密機械のような正確さの制球力はさらに磨きがかかるだろう。球数を今まで以上に少なくできる可能性が広がる。昨年、菅野は28登板で10完投8完封という異次元の成績で、先発した27試合の1登板平均の球数は115球。そのことを本人に聞くと、「110球くらいにしたいですね」と、さらに上を見据えていた。

 元々、9イニング27アウトで完投する場合、「1試合27球が究極の理想」という考え方の持ち主。130球も140球も投げて完投することは、菅野の理想ではない。昨年も10完投のうち130球以上投げたのは2回だけ。最少で103球完封があり、「そんなに状態は良くなかった」というCS史上初のノーヒットノーランも、113球だった。

 結果的に1登板平均で5球減らして110球にできれば、シーズンの蓄積疲労は大きく変わってくる。力感のない投球フォームで投球の精度はさらに高くなりそうだ。(巨人サブキャップ・片岡 優帆)

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