【巨人】菅野ハワイで追求 力感ゼロから直球ズドンの究極奥義

スポーツ報知
ハワイでの自主トレを終え、日焼けした菅野は精かんな表情で報道陣の取材に応じる(カメラ・相川 和寛)

 巨人の菅野智之投手(29)が21日、自主トレ先の米ハワイから帰国した。現地では、見た目は力が入っていないように見えて、キレのある速球を投げ込むという、究極の「力感ゼロ投法」を追求。キャッチボールで手応えをつかみ、いつでもブルペン入りできる状態に仕上がった。力みがなくなることで、どんな効果が期待できるのか。担当の片岡優帆記者が球数減など、さらなる進化の可能性を「見た」。

 濃密な自主トレを終え、菅野が充実感たっぷりに帰国した。「状態がいいことが一番だと思います」。体調面はプロ入り後、自身最高の仕上がり。投球の技術面では「力感ゼロ」を追求して、確かな手応えを得た。

 「今年は何か新しいことに取り組むのでなく、今あるものを伸ばしていこうと決めてハワイに行った。いいイメージができました。キャッチボールの質、ストレートを力感なく投げる。いい方向に向かっていると思いますし、楽しみです」

 現地では連日、遠投の後に20メートルの距離で中腰の相手に強めの投球。力の入れ具合は「7、8割」と言いながら、キレ味抜群の速球を披露し、「力感なく投げることが一番です」と、繰り返し強調していた。見た目は脱力しているように見えるのに、実際の球はズドンと来る。打者からすればタイミングを取りづらく厄介だ。

 「肉体的な変化はもちろんありますし、20代前半の時と違うな、というのはありますけど、それ以上に技術がついている。そういうのがどんどん成熟していく中で30、40歳と頑張ってやりたいと思っています」

 余計な力が入らない究極の「力感ゼロ」は、バランス良く鍛え抜かれた体、高度な技術があるからこそ。菅野の150キロ台の速球はキレが増し、打者を今まで以上に押し込めるだろう。ハワイで新たな挑戦として掲げた「高めで勝負する」点でも、効果が期待できる。

 大補強でチームは変わり、中心選手として刺激を受けている。背番号「18」で臨むキャンプは、背中で引っ張る意味も込め、初日からブルペンに入るつもりだ。「こんなに楽しみなシーズンはない、というぐらいすごくワクワクしてます」。日本一のため、目指すはタイトルを総なめした昨年以上の成績。菅野の進化は止まらない。(片岡 優帆)

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