【巨人】開幕までベテラン以外は回またぎ救援…水野コーチが鉄腕養成

スポーツ報知
自主トレの選手たちの動きを見守った水野投手コーチ

 巨人が24日、鉄腕育成へ向けリリーフ陣の“大改革”に乗り出した。ジャイアンツ球場を訪れた水野雄仁投手コーチ(53)は、開幕までの実戦で中継ぎ陣は1イニングのみの登板ではなく、シーズン中の回またぎを想定した“異例”の2イニング登板になることを明かした。優勝、日本一に向けリリーフの強化は必要不可欠。1年間投げきれるタフガイを見極める。

 ジャイアンツ球場にはどこか緊張感が漂っていた。それぞれの選手が自主トレを行う中、期待のリリーフ・吉川光、鍬原らがブルペンで状態を確認した。キャンプスタートまで残り1週間。19年の更なる飛躍へ向け準備は整っている。

 投手陣にとって、生き残り第一関門は2月3日の紅白戦だ。7、8回制で1人2イニングを投げて交代となる模様だ。この日だけではなく、水野投手コーチはキャンプ中の実戦やオープン戦について「リリーフも2イニング。回またぎが普通ぐらいな感じで投げる。オープン戦に関しては回をまたいでいくっていう気持ちで調整させようかなと思っている」と“異例”の登板プランを披露した。

 オープン戦では、中継ぎ陣は1試合1イニングが普通だが、シーズンに入れば相手打者の左右によって、イニング途中から次の回の先頭打者だけ投げるという事態も出てくる。味方の攻撃時にどう肩を作り、精神面を落ち着かせるかなどをオープン戦などで学ばせるつもりだ。

 昨季のチーム防御率3・79はリーグ1位だが、中継ぎの防御率は4・12でリーグ5位、救援陣で20敗。勝利の方程式が故障で離脱したことも要因ではあるが、スタッフ会議では負け数半減を目標に掲げた。優勝に向け、リリーフ強化は必要不可欠だ。

 近年の常勝巨人を支えた鉄腕・山口鉄、西村らは引退。マシソンは体調不良のためキャンプ3軍スタート。次世代の鉄腕育成にも期待がかかる。以前、宮本投手コーチは「投手は1イニングといったら1イニング肩になってしまう。1イニング限定はオープン戦では作りたくない」と話していた。上原らベテランは対象外となるが、開幕前から2イニングを投げることで、シーズン中の回またぎの予行にもなり、1年間戦う体力の配分も計算できる。

 今季は自身初のリリーフ一本で挑戦する吉川光は、貴重なリリーフ左腕として、ポスト山口鉄として名前が挙がる。昨季はCS最終S広島戦(マツダ)でリリーフ3連投で計4回無失点。150キロ以上を連発し、持ち味を発揮した。オープン戦でのイニングまたぎ登板について「回またぎはシーズンに入ったらあること。投げられる準備はしたい。言われたところで投げます」とやる気は十分だ。

 常勝巨人復活へ―。断固とした壁を作りあげる。

 ◆巨人の昨年の主なイニングまたぎ

 ▽4月7日ヤクルト戦(神宮) 打線が3回までに7得点も、先発・田口が3回途中6失点降板。2番手・谷岡が2イニング目の4回に2失点して敗戦投手に。

 ▽7月3日DeNA戦(東京D) 1点リードの8回2死一、三塁からマシソンが登板。9回まで4者連続三振で試合を締めた。

 ▽8月29日広島戦(東京D) 同点の10回、2イニング目の暫定守護神・アダメスが1イニング4四球で決勝点を奪われ敗戦投手に。

 ▽9月24日阪神戦(甲子園) 0―0の10回から山口俊が3イニング完全救援。CS進出に向け、価値ある引き分けに持ち込んだ。

 ▽10月13日CS第1S・ヤクルト戦(神宮) 5回途中から登板した2番手・上原が打者4人、3奪三振で1回1/3パーフェクト救援。

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