【巨人・羽ばたけルーキー】<3>増田陸、坂本後継者へ「将来はキャプテン」

増田陸はひときわ大きな声を発し、ノックを受けていた。「自然にみんなに声かけて、笑わせて、盛り上げたりできるんです。プロの野球でもそういう立場になりたいです」。明秀学園日立高では憧れの坂本勇を光星学院高(現八戸学院光星)監督時代に育てた金沢監督の下で主将を務め、チームを引っ張っていく大切さを学んだ。「将来、キャプテンやりたいですね」。主将、右打ち、遊撃手、リードオフマン…と共通点の多い背番号6の後継者になることを目指している。
プレーにおいても持ち味は「積極性」だ。「ヒットでもいい。でもホームランの方がチームが乗る。ましてや先頭打者ホームランは盛り上がる」。高校時代、1番打者として常に狙っていたのは本塁打。センバツに向けて練習に励んでいた2年生の時、ウェートトレなどで筋力アップに励み、体重を冬場だけで10キロ増量させ80キロに。パワーヒッターとして、進化を遂げた。
守備は「(打球を)捕ってからの速さ」をウリにしている。ボールさばき、逆シングルの捕球の仕方など、まさに坂本勇のよう。同じ遊撃手としてポジションはかぶる。「今は坂本さんにほれてていいけど、いつまでもほれてばかりじゃいけない。近い将来、ショートのレギュラーを僕が取りにいきたい」。プロでも狙うは、「先頭打者弾」。“盛り上げ隊長”が己のスタイルで、憧れの先輩の座を脅かす存在となる。(小林 圭太)
◆増田 陸(ますだ・りく)
▼生まれとサイズ 2000年6月17日、大阪市此花区生まれ。18歳。178センチ、80キロ。右投右打
▼球歴 春日出中では大阪福島シニアに所属し、早実・野村大樹(ソフトバンク3位指名)らとチームメート。明秀学園日立高では1年秋から遊撃のレギュラー。昨年のセンバツでは1番打者として16強入りに貢献した
▼坂本勇の大ファン 入寮時には坂本勇の写真を持参し、部屋の入り口に飾っている
▼ニックネーム りく、りっくん。「下の名前で呼ばれるのがうれしいです」
▼好きな食べ物 「幼少期からいつも食べていました」というおばあちゃん手作りの肉じゃが
▼好きな言葉 信念を貫く。「自分の考えとか思いがブレたらいけない」