【巨人】菅野、圧巻のブルペンにチームメート騒然 岩隈「仕上がり早すぎ」小林「エグイ」

スポーツ報知
宮崎で初ブルペン入りした菅野(カメラ・泉 貫太)

 巨人の菅野智之投手(29)が宮崎合同自主トレ2日目の29日、完璧な初ブルペンを披露した。木の花ドーム内の室内ブルペンで小林を座らせて、変化球を交え41球。「目に見える課題が見つからないぐらい状態がいい」とうなずくと、女房役も「エグイ」と絶句。新加入の岩隈も「(仕上がりが)早すぎる」とうなった。力感なく投げようと、キャッチボールでは体重移動の時間を長く使い、2段モーション気味に足の上げ方を変えた。貪欲に進化を求めるエースの背中は、最高の“教科書”だ。

 完璧と言っていいほどの菅野の仕上がりに、誰もが息をのんだ。「エグイ!」。小林が構えたミットにボールが吸い込まれた。数ミリのブレもない。時折見せる2人の笑顔が、状態の良さを示していた。

 ハワイ自主トレでは平地で捕手に座ってもらい投げていたが、傾斜で投げるのは今年初。直球の回転数、スピードは群を抜いていた。加えてカットボールを4球、スライダー6球、ワンシームを4球、カーブ2球。計41球を四隅に投げ分けた。

 菅野「今のところ、目に見える課題が見つからないっていうぐらい状態がいい。自分が思っている通りの仕上がりを見せることができたんじゃないかな」

 キャンプ前とは思えない姿に周囲は目を丸くした。元メジャーリーガーの岩隈もブルペンで菅野の投球に熱い視線を送った。

 岩隈「みんないいボール投げている。(仕上がりが)早すぎるんじゃないかっていうぐらいです」

 小林「力感がなくてあんな強い球を投げることができるのはすごい。完璧。今から試合でも大丈夫ですよ」

 周囲を驚がくさせるのは、常に進化を求めているからこそ。昨季は15勝8敗、202イニング、防御率2・14、200奪三振。10完投8完封、選考基準全項目クリアで2年連続沢村賞、CS史上初ノーヒットノーランなど、球史に残る偉業を達成した。

 だが、ハワイ自主トレから「年間を通して力感なく投げられるように」と、レベルアップを求めキャッチボールの時のみ2段モーションを導入。昨年の自分を少しでも上回るため、様々な足の上げ方を試していた。

 今年の1軍キャンプメンバーは若手投手が多い。菅野は以前から「マウンドの姿であったり練習での姿、発言行動が使命」と言い、後輩たちの先導に立つことを意識していた。

 エースの向上心は、後輩たちの胸に突き刺さった。

 田口「菅野さんはこれ以上ないお手本」

 高田(隣のレーンで投げ)「ピッチングが異次元」

 大江「全部がためになる。言葉では伝えづらいけど、人とは違うという感じ」

 キャンプまであと2日。今後は球数を増やすなど、細かい精度を上げていく。「見てとれる変化っていうのはなかなか難しいと思う。数字であったり、1試合1試合の結果で進化を示していければいいなと思います」。史上最高の菅野へ、準備は整った。(玉寄 穂波)

 ◆今オフの菅野の取り組み

 ▼過去最高の体 11月のへんとう手術後、2週間完全休養。昨年フル回転の疲労が取れ、その後のトレーニングでプロ入り後、最高の体調に。昨年の同時期と比べ「3段階くらいいい」

 ▼インハイ攻め ハワイ自主トレ中に昨年の投球を分析。「去年は右打者のインハイ(内角高め)が少なかったので、高めで勝負できるようにしたい。そうすると、もうちょっと低めの変化球も生きてくるのかなと」と挑戦を決意。

 ▼究極の「力感ゼロ」 キャッチボールから「力感なく投げる」と、力が入っていないように見えて強い球を投げる反復練習。そのために体幹を強化した。

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