【巨人】44歳シーズンへ上原、初ブルペンで39球「サンキューですよ」

スポーツ報知
今季初めてブルペンに入り、気合の入った投球練習を見せた上原(連続写真=カメラ・杉山 彰一)

 巨人の上原浩治投手(43)が2日、感謝の気持ちを体現した。宮崎2軍キャンプ2日目で今キャンプ初のブルペン入り。ブルペン捕手に座ってもらい39球を投げた。右腕はブルペンでの球数に意味を持たせており「サンキュー(39)ですよ。これまでかかわってきた人たちのお陰で野球をやれてるわけですし」。昨年10月下旬に手術を受けた左膝の経過も良好で、開幕に向け調子を上げていく。

 無数のカメラが、背番号「19」に注がれた。今キャンプ初めてブルペン入りをした上原。体の動きを確認しながら思いをボールに込めるかのように、丁寧に投げ込んだ。後半にかけ制球の精度も上がる。「悪くはなかった。力強さが出てくれれば」。集まったファンたちは一挙手一投足を食い入るように見つめた。

 投げた球数は39。これまで球数に何らかの意味を持たせてきた右腕にとって、39球は大きな意味を持つものだ。「サンキューですよ。これまでかかわってきた人たちのお陰で野球をやれてるわけですし。感謝の気持ちは忘れずにやっていかないと」

 10年ぶりに古巣へ復帰した昨季。途中から左膝の痛みを抱え、36試合で0勝5敗、防御率3・63。2軍落ちも経験し、不本意な1年だった。10月下旬に左膝の手術を受け自由契約となったが、巨人と再契約。「本当に契約してもらえたのは、すごいうれしいです」と感謝の再スタートを切った。

 キャンプは左膝の状態が考慮され2軍スタート。ブルペンではノーワインドアップとセットポジションで投げ、左膝にかかる負担をチェックした。途中、横から見ていた木佐貫ファーム投手コーチに「怖がっているふうに見えるか」など質問、フォームを確認。木佐貫コーチは「後半に(なるに)つれて球の質力も上がった。今日は今日でよかったと思いますよ」と、問題のなさを強調した。

 目指すは開幕。宮本投手総合コーチによると上原のキャンプ中1軍昇格プランは白紙。だが、2軍に視察に訪れた原監督は上原の動きを見て「アップを見る限り、非常にいい方向にいっているんだろうとは見えました」と今後に期待した。

 巨人のユニホームを着て帰ってきた18年3月10日。その日もブルペンで39球を投じカムバックした。常に感謝の言葉を口にする右腕。この日も練習後は大勢のファンに囲まれ、時間が許す限りペンを走らせた。球団では前人未到となる44歳シーズンへ。「開幕投手を目指します」と“上原節”も健在。完全復活を誰もが心待ちにしている。(玉寄 穂波)

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